F-16に“ロシア機の“塗装なぜ? 運用は民間企業 それが軍にとっても効率的なワケ
カナダの民間軍事企業が保有するF-16戦闘機が、明らかにロシア軍戦闘機を彷彿とさせる塗装でSNSを中心に話題にとなりました。ただ、このカラーリングは単なる話題作りではありません。もっと深い意味があるそうです。
アメリカ戦闘機にロシア機の塗装 なぜ?
カナダの民間軍事企業トップ・エイセス社は、保有するF-16「ファイティングファルコン」戦闘機の新たな塗装機をSNSで公開しましたが、特徴的すぎる外見が話題となっています。
公開された画像には青系の迷彩で塗られたF-16戦闘機が写っていましたが、見た目はロシアの戦闘機Su-27「フランカー」がまとう迷彩に極めて似ており、垂直尾翼には赤星まで描かれていました。なお、写真に付けられた解説文には「洗練されたフランカーブルーの塗装が施された最初のF-16 戦闘機」とあり、アメリカ製の戦闘機でありながら、ライバルともいえるロシア機の塗装を再現していることを認めた内容です。
じつは、このF-16が特別なのは外見だけではありません。この機体は空軍が所有するものではなく、トップ・エイセス社自身が所有する機体で、つまり民間組織が所有する戦闘機なのです。同社はF-16以外にもA-4「スカイホーク」や「アルファジェット」といった軍用ジェット機を複数保有していますが、これらは軍の訓練時に敵役として飛ばすため。すなわち軍の下請け企業として、自社の機体を飛行させるのです。
今回発表された新しいF-16が、わざわざロシア製のSu-27に似せた塗装をまとっているのも、訓練時に敵役であると識別させて演習での運用をより効率的にするための措置だと考えられます。
ロシア機というより、一瞬日本のF-2に見えた