自衛隊の手本になるか? 空母の甲板に空軍戦闘機が並んだワケ「カヴール」来日で見た不思議な光景
「カヴール」はイタリア海軍の中心的存在
では、改めて「カヴール」はどのような軍艦なのか見てみましょう。その艦名は、統一後のイタリア王国において初代首相を務めたカミッロ・カヴール伯爵に因んだもので、第1次と第2次の両大戦で運用された戦艦「コンテ・ディ・カヴール」と由来は同じです。
そのような由緒ある名を受け継ぐかのように、空母「カヴール」は、2011(平成23)年からイタリア海軍の旗艦となっています。
「カヴール」は、空母とはいってもアメリカや中国、フランスなどが保有するような正規空母ではなく、STOVL(短距離離陸および垂直着陸用航空機)専用の軽空母に分類され、当初はイギリスで開発されたSTOVL機「ハリアー」を米マクドネル・ダグラス社が発展させたAV-8B「ハリアーII」を搭載していました。なお、最近では米ロッキード・マーティン社が中心となって開発したステルス戦闘機F-35「ライトニングII」の導入が始まっており、徐々に「ハリアーII」との入れ替わりが行われています。
陸上運用タイプであるF-35Aはイタリア空軍にも配備が進められており、昨年に引き続いて今年8月にも来日して、青森県の三沢基地において航空自衛隊のF-35Aと共同訓練を行いましたが、「カヴール」に搭載されたF-35は前出したようにSTOVL仕様のため、各部が異なっており、だからこそB型と呼ばれます。イタリア海軍は15機のF-35Bを発注しており、現在までに少なくとも6機以上が納入されている模様です。
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