世界で1機だけの「激レア旧日本陸海軍機たち」なぜココに? 意外な場所でまさかの“3機ならび”のワケ

なぜイギリスにいるのか?

 これに対して、英国に残る五式戦と一〇〇司偵は、終戦時に南方へ展開していたため、各々今のベトナム・ホーチミンとマレーシアで現地の英軍に接収されて本国へ運ばれたのです。そして、性能の調査などが行われた後に英国内の空軍基地に保管された末、修復・復元作業が行われました。特に五式戦については、1986年にエンジンの地上運転にも成功しています。

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英国空軍博物館の館内(加賀幸雄撮影)。

 3機を所蔵する英国空軍博物館は、ロンドン館のほか、ロンドンから北西に約200km離れたコスフォード館もあります。3機は一時期、この2つの施設にバラけるような形で展示されていましたが、現在はロンドン館の第5ハンガーに集約されています。博物館によると2019年に展示の配置換えを行った結果ということです。

 ただ、3機を一度に見ることができるようになった反面、配置の間隔は非常に窮屈になり、写真撮影のアングルは限られるようになりました。五式戦の左主車輪のタイヤゴムこそ劣化が目立ってもいますが、いずれもおおむね良好な保存状態に保たれているとみられます。

 同じハンガーにはこのほか、英軍のランカスター重爆撃機やハリファックス重爆撃機、独軍のJu87スツーカ急降下爆撃など、同じ時代に現役だった英独米の機体も置かれています。各国の機体を見比べることで、それぞれの国がどのような考えで航空機設計へ臨んだのか想像が膨らみます。同時に、かつては敵だった機体が並ぶ姿に平和の大切さを感じることもできるでしょう。

【了】

【写真】貴重すぎ!これが英国にある「激レア旧陸海軍機」たちです

Writer: 加賀幸雄(旅行ライター)

日本各地の名産や景勝に興味があり、気ままに目的地を決めて2泊3日程度の 小旅行を楽しんでいる。

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