自衛隊も購入! 最新「ステルス巡航ミサイル」ウクライナに提供間近か? ただ“邪魔者”が米国に

ウクライナでアメリカ製のF-16戦闘機の運用が始まりました。これに伴いウクライナ政府は、長距離空対地巡航ミサイル「JASSM」の供与をアメリカに要求しています。ただ、その障壁となるものが米国内にあるそうです。

ロシアの防空システムをかいくぐるため

 ただ、ロシア空軍が保有する大型防空システムS-300やS-400は、カタログスペック上では巡航ミサイルを迎撃する能力を持っています。巡航ミサイルは既知の手段で対応可能であり、防空網を回避した特例的な華々しい戦果が報じられているだけで、大多数の「SCALP-EG・ストームシャドウ」は地対空ミサイルに撃墜されている可能性が高いといえるでしょう。

 一方、「JASSM」には防空網を突破する確率を上げるため、レーダー反射断面積の低減、すなわち「ステルス性の高さ」が盛り込まれています。「JASSM」の使用によって、ロシアの防空対処は一層厳しくなる可能性があります。

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ポーランド空軍のF-16戦闘機の前に並べられた「JASSM」ミサイル(画像:アメリカ空軍)。

 しかし「JASSM」が有効に活用されるためには、アメリカがウクライナへの武器供与条件として課している「ロシア本土の標的への攻撃禁止」を解除してもらう必要があります。

「JASSM」の長射程とステルス性の高さは、前線から遠い場所にある飛行場や物資集積地点などを攻撃することで真価を発揮します。逆に、それらを攻撃しないのであれば「JASSM」を供与する意義はあまりないでしょう。ひょっとすると、「JASSM」の供与はロシア本土の標的への攻撃解禁を意味するのかもしれません。

 なお、搭載機についてはF-16のみならず、Su-24、Su-27「フランカー」、MiG-29「フルクラム」なども考えられますが、旧東側機へ搭載した場合は終端誘導方式である赤外線画像データリンクを活用できないため、それら機種で運用する際はGPS誘導のみに限られるでしょう。

 ちなみに、日本も長射程型「JASSM-ER」の購入を決めており、2023年8月にはアメリカ国務省が1億400万ドル(約152億円)で日本へ売却することを承認しています。

【了】

【だんちゃ~く、いま!】「JASSM」が飛行し直撃する瞬間(写真)

Writer:

1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。

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