「北海道沖に核廃棄するな!」日本の税金も使ったオンボロ原潜の大量解体ようやく目途 ただウクライナ侵攻の影響で今後は?

環境破壊されるよりはマシ

 このときは日本が抗議したことで、ロシアは再投棄の中止を発表したものの、今後の投棄に関しての可能性は否定しませんでした。事態を重く見た日本は、1993年10月にロシアの核兵器や原子力潜水艦の廃棄・解体を日本が支援する協定を締結します。

 放射性物質を放棄した当事国に協力するということで批判もありましたが、艦内に残された核物質が不法に持ち出され、テロリストの手に渡る可能性や、このまま日本海が汚され続けることは好ましくないため、安全保障や環境保全などの観点から日本はこの問題に積極的に関わることになり、前述したとおり、この協定は30年後の2023年まで続きます。

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老朽化した船体で浮かぶロシアの多目的原潜「クズバス」(画像:ロシア国防省)。

 この非核化協力支援の最初の事業として、まず日本政府は洋上での液体放射性廃棄物処理施設の役割を果たす浮体構造型の洋上施設「すずらん」の供与を決定します。この施設は1996年に建設が開始され、1998年4月に完成。その後、ロシア政府が必要な自国内の調整や試運転などを行い、2001年11月にようやくロシアに対して引き渡されています。

【うわ、作業かなり大変…】これが「輪切りにされた」ロシア原潜です(写真)

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