世界で唯一! 日本に「オスプレイ」全タイプ揃い踏み でもナゼ? 母国アメリカでも見られません

陸自仕様のV-22はもうすぐ移動

 これらアメリカ海兵隊、空軍、海軍型の「オスプレイ」に加え、陸上自衛隊仕様が存在します。日本はアメリカ以外で唯一の採用国なため、陸上自衛隊向けは唯一の輸出型となります。

 機体は海兵隊型に近いMV-22Bであり、2024年6月に全17機の引き渡しが完了しました。2024年9月現在、全機が千葉県の木更津駐屯地に暫定配備されていますが、佐賀空港に併設される形で建設が急がれる佐賀駐屯地(佐賀県)へ、全機が移転する予定となっています。

「オスプレイ」は、高性能の代償として非常に高価であることが欠点です。そのため、世界市場での販売は予想を遥かに下回る結果に終わりました。しかし、地政学的な特性から日本にはアメリカ海兵隊の航空基地があり、さらには同海軍の空母も常駐しているため、全てのタイプが揃っているという、世界的に見ても珍しい国であると言えるでしょう。

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アメリカ海軍向けのCMV-22。2024年現在、最も新しい派生型(画像:アメリカ海軍)。

 ちなみに「オスプレイ」を楽しむには、体験搭乗へ申し込んだり、基地祭で直接触れたり、展示飛行を見学するのが良いでしょう。特に2024年10月5日(土)には木更津駐屯地で「第50回 木更津航空祭」が開催される予定です。

 前述したように、佐賀駐屯地が完成すると移転してしまうため、同航空祭は首都圏で陸自オスプレイを楽しめる残り少ないチャンスとなるかもしれません。

【了】

【機長はドッチに座る?】これが「オスプレイ」の機内です。操縦席も(写真)

Writer: 関 賢太郎(航空軍事評論家)

1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。

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