世界で唯一! 日本に「オスプレイ」全タイプ揃い踏み でもナゼ? 母国アメリカでも見られません

世界でもアメリカと日本しか採用していない航空機のV-22「オスプレイ」。とくに日本は、全種類が勢ぞろいする世界でも唯一の国です。それぞれのタイプはどのような特徴を持っているのでしょうか。

全部で4種類ある「オスプレイ」各タイプ

 V-22「オスプレイ」は2024年9月現在、世界で唯一の実用ティルトローター機として広く知られています。ティルトローター機とは、ヘリコプターのように垂直に離着陸できる一方で、固定翼機のように高速かつ長距離を飛行することが可能な航空機です。そのため、特に軍事分野において、従来の飛行機やヘリコプターでは達成できなかったミッションを遂行できる次世代の航空機として、その能力が注目されています。

 じつは、日本は世界的に見ても「オスプレイ大国」と言える存在です。なぜなら、オスプレイはベースモデルといえる海兵隊仕様以外に、複数の亜種が存在しますが、その全てが日本に配備されているからです。

 しかも、各タイプともそれぞれ異なる役割を持っています。では、どのような特徴があるのか、改めて見てみましょう。

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アメリカ本土で編隊飛行する日米の「オスプレイ」。右手前が陸上自衛隊機で、左奥がアメリカ海兵隊機(画像:陸上自衛隊)。

海兵隊型MV-22B

「オスプレイ」の基本タイプであり、アメリカ海兵隊の主力輸送機として使用されています。兵士や物資の輸送に優れ、様々なものを長距離運ぶことができる万能機です。沖縄県の普天間基地に24機が配備されています。

空軍型CV-22B

 いわゆる特殊作戦機で、アメリカ空軍において主に侵攻作戦に使用されます。高い速度と航続距離を活かし、敵地への迅速な侵入と脱出が可能です。MV-22Bとは機体こそ共通ですが、厳しいミッションに対応するために、地形追随飛行を可能とする空対地マルチモードレーダーを搭載し、電子妨害装置や赤外線誘導妨害レーザーを装備しています。これにより自己防御力が高く、また脱出したパイロットを捜索するための生存者電波探知機を有し、多任務先進戦術端末を搭載するなど、最も高性能なオスプレイとなっています。東京都の横田基地に6機が配備されています。

海軍型CMV-22B

 このモデルはアメリカ海軍の艦上輸送機として設計され、航空母艦への貨物空輸を行うための機体です。胴体側面部のスポンソン(張り出し)が大型化され、燃料タンクを増設していることから、「オスプレイ」各型のなかでは最も航続距離の長いモデルでもあります。ほかにも大きな特徴として、F-35戦闘機のエンジンを丸ごと輸送する能力を持っています。これにより、空母航空団の運用効率が大幅に向上することが期待されます。C-2「グレイハウンド」艦上輸送機の後継機として、間もなく山口県の岩国基地へ配備が始まる見込みです。

【機長はドッチに座る?】これが「オスプレイ」の機内です。操縦席も(写真)

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