警笛プ―――!! 海自艦&アメリカ艦の訓練に“招かれざる客”急接近 じつは「よくあること」?

9月の3連休、沼津市の沖合では日米合同の輸送特別訓練が行われていました。LCAC(エアクッション型揚陸艇)が上陸する迫力ある様子を見ようと見物人も多かったのですが、中にはボートで艦艇に近づく人も。危険な行為は「よくある」のだそうです。

「しもきた」が長い汽笛を鳴らす!

「アメリカ」のヘリコプターが向かってくる訓練の終盤で、「しもきた」があまり聞いたことがないほどの長い汽笛を吹鳴しました。プレジャーボートが接近してきたのです。「しもきた」はヘリコプターを着艦させるため風上に進路を取って直進しており、回避できないことから警告を発したのです。

 プレジャーボートには国際VHF無線機など積んでいないことが多く、無線の警告は届きません。「しもきた」のマストには国際信号旗で「UY:本船は訓練中、近づくな」を掲げていますが、「そんなものボートの人は見ちゃいません。結局警笛しかありません」と隊員がぼやきます。

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マストに掲げられている国際信号旗「UY:本船は訓練中、近づくな」。見づらいからかプレジャーボートに効果は薄い(月刊PANZER編集部撮影)。

 3連休の初日で、富士山もくっきり見える絶好のレジャー日和になった駿河湾には、釣り船やヨットが点々と浮かんでいました。その中で輸送艦はひときわ目立ち、興味を引いても仕方がありません。近寄ってくる船はよくあるそうです。

 プレジャーボートは警笛が聞こえたのか進路を変えました。世の中が連休であっても、こうして日米の艦が非日常に備えて訓練していることを想起してくれれば、それはそれで意味はあるでしょう。

【了】

近づくな! 物珍しさに接近してくる様子(写真)

Writer:

1975(昭和50)年に創刊した、40年以上の実績を誇る老舗軍事雑誌(http://www.argo-ec.com/)。戦車雑誌として各種戦闘車両の写真・情報ストックを所有し様々な報道機関への提供も行っている。また陸にこだわらず陸海空のあらゆるミリタリー系の資料提供、監修も行っており、玩具やTVアニメ、ゲームなど幅広い分野で実績あり。

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