警笛プ―――!! 海自艦&アメリカ艦の訓練に“招かれざる客”急接近 じつは「よくあること」?
9月の3連休、沼津市の沖合では日米合同の輸送特別訓練が行われていました。LCAC(エアクッション型揚陸艇)が上陸する迫力ある様子を見ようと見物人も多かったのですが、中にはボートで艦艇に近づく人も。危険な行為は「よくある」のだそうです。
沼津市の沖合で日米共同訓練を実施
残暑が厳しい2024年9月の3連休の初日、晴天に恵まれた静岡県沼津市の片浜海岸には人が集まっていました。沖合には特徴ある揚陸艦の艦影が2つ見えています。1隻が海上自衛隊の輸送艦「しもきた」、もう1隻がアメリカ海軍の強襲揚陸艦「アメリカ」です。
この海岸の一画にある沼津海浜訓練場は、輸送艦搭載のLCAC(エアクッション型揚陸艇)が上陸訓練を行う日本でも数少ない訓練場で、上陸時には迫力ある姿を見ることができます。
この日行われていたのは、四国沖から駿河湾を訓練海域とする日米揚陸艦による、マグニチュード7の地震発災を想定した災害対応訓練です。参加したのは第1輸送隊「しもきた」と陸上自衛隊水陸機動団の第1水陸機動連隊と後方支援大隊、アメリカ海軍第11水陸両用戦隊の「アメリカ」です。地震の津波によって被災した洋上遭難者を、両艦が共同して捜索救助する手順が確認されました。
「しもきた」と「アメリカ」は共に水陸両用作戦用艦ですが、特徴は異なります。「アメリカ」は排水量で「しもきた」の約3.2倍と、航空機運用能力が高いのですが、ドック型ではないためLCACは運用できません。「しもきた」はドック型でウエルデッキ(艦の内部に設けられた注排水機能のある乾ドックで、舟艇の発進、収容が効率的に行える)があり、LCACや水陸両用装甲車AAV7、小型舟艇を直接海面に揚げ降ろしできます。上陸作戦にはもちろん、海面捜索救助任務にも便利です。
水陸両用作戦支援用の艦は、LCACやヘリコプターを運用できて艦内が広く、医療設備も充実して災害対応にも優れます。そのため「多用途艦」と呼ぶ場合もあります。2024年1月の能登半島地震の際は、「しもきた」の同型艦「おおすみ」が活躍しました。
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