「高すぎる!」非難殺到のアメリカ将来戦闘機、シラけムード拭えず 対案で浮上の“廉価版”とは?
未来的なイメージとともに研究が進む第6世代戦闘機。性能を追求した結果、高コストとなることがすでに指摘されています。そこで対案として浮上しているのが、真逆ともいえるコンセプトの「軽ステルス機」です。
高価すぎて議会から追及が
アメリカのF-35やF-22、中国のJ-20、ロシアのSu-57などは第5世代戦闘機と呼ばれ、制空戦闘機として高い攻撃能力とステルス性能を特徴としています。しかし、それを超える第6世代とされる戦闘機の研究もすでに始まっており、さまざまなメーカーが未来的なコンセプトイメージを発表して、我々の夢を掻き立てています。
とはいえ、その夢を実現するには膨大な費用が必要です。未来の戦闘機は、敵との競争に勝つ前に、納税者や財務当局、議会との戦いに勝たなければならないのです。
アメリカでは、F-22の後継機となる次世代航空支配(Next Generation Air Dominance:NGAD)計画のコストが高騰しており、議会から厳しく追及されています。NGADの1機あたりのコストは、約2億5000万ドル(約360億円)に達すると見込まれています。
ちなみにF-35は、統合計画局が昨年秋に発表した数字によれば、全派生型の平均単価は約8250万ドル(約119億円)でした。アメリカ空軍はNGADを約200機取得することを目指していますが、その計画全体の予算は天井知らずの状況です。2015会計年度には1820万ドルが計上され、2022会計年度には10億ドルを突破。2024会計年度には23億ドルが要求されています。
「戦力の基本は数である」といわれますが、ランク・ケンドール空軍長官も、NGADはF-35の3倍も高価であるため多数の調達は難しいことを認めています。彼は正直に、1機1億ドルというF-35の価格が「現実的な限界」であると述べています。
NGADは高度なステルス性はもちろん、無人機とチームを組んで共同作戦を行うことを想定しています。また広大な太平洋地域での運用に必要な航続距離やペイロードも求められています。これらの要件を満たそうとすれば、必然的に高価で重厚長大な「重駆逐機」となるでしょう。
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