「日本最短のジェット機路線」に乗ったら特殊すぎた! 「ダイヤ上はプロペラ機より時間がかかる」…なぜ?
「ジェット機最短路線」機内が特殊すぎた件
離陸後のアナウンスによると、久米島空港到着予定時刻は13時45分。その後天候が想定より良かったのか、13時26分にベルト着用サインが消灯しました。しかしその直後「4分後に降下飛行に入る予定ですので、化粧室に行きたいお客様は早めにお済ませください」とのアナウンスが入ります。実際、サイン消灯からわずか5分後の13時31分に、再度着用サインが灯りました。
久米島空港への着陸は13時41分。機体が駐機場に止まったのは46分でした。飛んでいた時間はわずか20分、ということになります。到着後の機内アナウンスでは、フライト時間が短かったため機内サービスが提供できなかったことのお詫びと、その代わり降機時にキャンディを用意しているので、希望者は受け取るよう案内がありました。
なお、復路便である久米島→那覇はプロペラ機運航便を選択しました。ジェット機が使われるほど旅客数の多い路線なだけあって、50ある客席はほぼ満席です。18時30分に機体が動き出した同便は、39分に離陸。ベルトサインはフライトを通して消えず20分後の18時59分に那覇空港へと着陸し、19時07分に駐機場に到着しています。この日のフライト時間は、ジェット機もプロペラ機ともに「20分」だったのです。
なお同路線では、ジェット機運航便のほうが、ダイヤ上のフライト時間が5分長く設定されている理由についてJTAは「機材による運航高度の違いやスピードの違いによる大回り旋回の影響により、RACと運航時間が異なっております」と説明しています。
これに加えジェット機便は出発時、一旦駐機場からトーイングカーという車両でバックし所定の位置で止まり、そこで車両や機材を取り外してから滑走路へと向かうため、そこの作業時間が発生します。対しプロペラ機はトーイングカーを用いず、前進転回する形で動き出し、そのままダイレクトに滑走路へと向かいます。もしかすると、この作業時間の差も「ジェット機運航の方がプロペラ機より5分長くなる」一因かもしれません。
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Writer: 松 稔生(航空ライター)
国内航空会社を中心に取材を続け、国内・海外を奔走する日々を送る。ゆとり世代。
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