「空中の歩道」超便利! 高架鉄道の下を歩道にして「下りなくていい」街に なぜ日本じゃできないのか

タイの首都バンコクでは、高架鉄道の桁下を活用した高架歩道のネットワークが広がっています。東京のような地下鉄を起点とした地下道とは逆の手法で作られた歩行空間は、その利便性を増しています。

もはや「高架歩道から下りなくていい」街づくりに

 このスカイウォークの整備により、バンコクの街は主に3つのメリットを得ることができたと考えられます。

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あらたに建設された大型オフィスビルの多くは、スカイウォークに直結した2Fレベルの出入口を持つ。既存のビルにも同様に改修されたものがある(植村祐介撮影)。

 ひとつめは、歩行者の安全です。前述のように、バンコク中心部は大通りであっても歩行者用信号の整備が立ち後れ、またバイクの信号無視や逆走が当たり前に行われているというご当地事情から、車道を安全に渡ることが困難でした。歩道は段差も多く、また敷石がはがれたところがそのまま放置されているなど、安心して歩ける状況ではありませんでした。

 それがスカイウォークにより、クルマや足元を気にせず、安全に歩けるようになったのです。

 ふたつめは、ビジネスの効率化です。スカイトレインは渋滞なしの移動を実現しましたが、駅から目的地へは階段で地上に降り、歩きにくい歩道を利用せざるを得ませんでした。しかし現在、スカイウォークで主要ビルの多くが結ばれたエリアでは、駅の改札レベルから水平に移動するだけで、それらのビルにアクセスできるようになり、移動時間が大幅に短縮することとなりました。

 また南国特有のスコール時に一部で発生する「地面の冠水」による移動の困難とも無縁になりました。

 そして最後が、経済活動の活発化です。スカイウォークにより、通りを隔てたファッションビルどうしでも容易に回遊できること、雨に濡れる心配もなくなることで、買い物は便利に、街歩きは楽しくなりました。商業ビルのなかを通り抜ける部分では、歩行者の興味を引くような店づくりが行われました。

 こうした回遊性の向上や立ち寄り機会の創出による人流の増加が、売り上げ向上に大きく貢献しているはずです。

「銀座の地下道」的な高架歩道エリア

 2024年現在、このスカイウォークがもっとも活躍しているのが、商業の中心地で、東京に例えると銀座にあたる、サイアム地区です。

 ここには約2kmの間に東から「チットロム駅」「サイアム駅」「ナショナルスタジアム駅」の3つの駅が並んでいます。

 この区間を結ぶスカイウォークは、チットロム駅からサイアム駅までがとくに「Rウォーク」と名付けられ、「ゲイソンアマリン」「ゲイソンセンター」「セントラルワールド」など大型の商業ビルに直結しています。

 サイアム駅でスカイウォークはいったん消滅しますが、歩行者は商業ビル「サイアムパラゴン」に入り、さらに「サイアムセンター」「ディスカバリーセンター」という連絡通路で結ばれた各商業ビルを通り抜けて西に進むことができます。

 そしてディスカバリーセンターからはパトゥムワン交差点を覆うような巨大なX字型のスカイウォークが整備され、商業ビル「MBKセンター」と連絡しつつ、スカイトレインの高架下をナショナルスタジアム駅まで到達します。

【これは辛い!!】バンコク「地上の大渋滞」と無縁の高架歩道(写真)

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