「自賠責ネコババ」から30年 財務省の“巨額借金”どう国交省に返しますか? 加藤新大臣に聞く
このままだと「100年返済」
毎年の返済額の目安が定められたのは、2022年、鈴木俊一財務相と斉藤鉄夫国土交通相で結ばれた大臣間合意でした。当時の合意について鈴木氏はこう述べています。
「令和4年度(2022年度)当初予算において、一般会計から自動車安全特別会計に54億円の繰戻しを行うとともに、令和5年度以降の一般会計からの繰戻しについて、令和4年度の繰戻し額の水準を踏まえること、繰戻しに継続的に取り組むことということで合意がなされているわけでありまして、この合意をしっかり守っていくということで、私としては一歩前進といいますか、毎年継続して行われる一つの基盤、約束ができたということなんだと思っています」
国土交通省は2025年度の返済額について例年同様、具体額を明示せず「一般会計から自動車安全特別会計への繰戻しに係る大臣間合意を踏まえた更なる増額」を、両省で協議するとします。大臣間合意では54億円というベースラインができていますが、多少増額されたとしても、完済までに単純計算で100年以上かかる計算です。大臣間合意の有効期限は5年間、2027年年度までです。
加藤財務相は、こう話しました。
「現在令和3年12月に財務大臣と国交大臣の協議の結果として、令和4年度の繰り戻し額が約54億円の水準を踏まえること、また繰り戻しに継続的に取り組むことなどが合意されていることですので、令和7年度の予算編成において、この大臣間合意に基づいて、適切に対応していきたいと思います」
【了】
Writer: 中島みなみ(記者)
1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。
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