傑作イタリア車は日本車のパクり!? 有名評論家が主張した「定説」の真偽は? 関係者が吐露

アルファロメオの傑作車「アルファスッド」には、富士重工の「スバル1000」をコピーしたという風聞がまことしやかに囁かれています。この噂の出所をたどっていくと「巨匠」と呼ばれた自動車評論家に行き着きました。果たして噂の真相やいかに……。

革新的なFF小型車として誕生した「アルファスッド」

 イタリアの自動車メーカー、アルファロメオ初の市販FF(前輪駆動)乗用車となった「アルファスッド」は、廉価な小型車であるにもかかわらず、低重心の水平対向4気筒エンジンや4輪ディスクブレーキの採用など、当時の水準をはるかに超える高度なメカニズムを備えていました。

「アルファスッド」は、優れたパッケージングによる広いキャビンとトランク、小型車ゆえの高い経済性に加えて、シャープなハンドリングによるキビキビとした操縦応答性、端正なスタイリングなど大衆車らしからぬ魅力も兼ね備えており、まさに「傑作車」といえるでしょう。

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1971年にデビューしたアルファロメオの初の市販FF乗用車「アルファスッド」(山崎 龍撮影)。

 ただ、そんな同車には、昔から富士重工(現スバル)が開発した「スバル1000」をコピーしたという噂が付いて回っています。「アルファスッド」よりも5年早い1966年にデビューした「スバル1000」は、同じく水平対抗4気筒エンジンと4輪ディスクブレーキを採用したFF乗用車であり、ボディサイズも近いことから、こうした説が生まれたようです。

 とはいえ、「アルファスッド」の開発プロジェクトがスタートしたのは1968年であり、加えてそれまで後輪駆動モデルしかなかったアルファロメオがまったく系譜の異なる設計やメカニズムのクルマとして「アルファスッド」をリリースしたこと、さらに両車の基本設計があまりにも酷似していたことが、パクリ疑惑に説得力を与えることになりました。

【アルファロメオがパクった!?】これが富士重工の名車「スバル1000」です(写真)

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