道路工事で「線路が出てきた!」見学会に2000人 あふれだす60年前の記憶
実は「2度目の“出土”」 見学会に2000人
白鳥橋を走る都電は1968年に廃止されました。急速に広がるモータリゼーションの波に飲み込まれるようにして、自動車の通行の妨げになる軌道の撤去が進み、約60年経過した現在では、すでに関係者の記録からも消えていました。前述の担当者は、こう話します。
「都電と敷石とレールは撤去工事の図面にも記載がなく、現地にも存在しない前提で工事が進んでいました、白鳥橋には厚さ5cmのアスファルトが防水シートを挟んで2層に敷いてありました。2層といっても、防水シートとアスファルトはアスファルト乳剤で固着しているので、それを一体ではがしてみると、敷石とレールが出てきたのです」
都電の重量を支える敷石は厚みがありますが、白鳥橋は最初から都電の軌道を敷設する前提で建設されていたせいか、鉄軌道を敷設するだけの厚みが考慮されていました。
都電の廃止後、橋の上の軌道を撤去せず、軌道の上からアスファルトで舗装したことが、後の橋梁工事で明らかになる――こうした例は、白鳥橋と同じ神田川にかかる「御茶ノ水橋」(千代田区神田駿河台~文京区湯島)でも2020年に発見されています。
再び起きた思いがけない出来事に、第六建設事務所は発見された敷石とレールをを2日間にわたって一般に公開。10月15日と16日の両日、あわせてわずか4時間の開催で約2000人の見学者を集めました。
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