人口最少の県が「いちばん月に近い場所!?」日本唯一の研究拠点「何もない」イメージ覆るか?

砂丘と月面の類似性は?

「ルナテラス」は鳥取砂丘の国立公園外にある鳥取大学乾燥地研究センターの敷地内にあり、0.5ヘクタールの広さに「平面」「斜面」「自由設計」(造成や掘削が可能)の3つのエリアがあります。

 月面の表面は「レゴリス」と呼ばれる砂で覆われており、その場所で使う月面探査車の試験を地球上で行う場合は、砂漠や荒野などが利用されています。たとえば、アメリカでいうとアリゾナ州の砂漠にあるブラックポイント・ラバフロー試験場が知られており、NASA(アメリカ航空宇宙局)の有人月面着陸計画「アルテミス」で使われる月面探査車の試験をここで行っています。

 国内ではJAXA(宇宙航空研究開発機構)が相模原に宇宙探査実験棟という屋内実験施設を持っていますが、屋外型の試験場はこの「ルナテラス」が日本初になります。

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鳥取砂丘の全景。日本最大級の砂丘として年間100万人以上の観光客が訪れる(画像:「ルナテラス」プロモーション動画より)。

 試験場として利用する以上はその類似性を科学的に証明する必要があり、そのために試験場開設前に「鳥取砂丘のデジタルデータ化プロジェクト」という砂丘の調査を実施。この調査では鳥取砂丘全体をスキャニングして3次元マップを作成し、砂自体も密度と粒度の試験を行っています。それらをアメリカのNASAが保有する月面データと比較し、最終的に鳥取砂丘と月面には類似性が高いという結論が得られたとのハナシでした。

 調査報告書には、月面のクレーターのような特殊な地形を除いたエリアを除けば「類似した地形的特徴や砂の強度を持っていることが確認できた」と記されており、鳥取砂丘と月面の環境が似ていることが確認されているそうです。

【写真】これが鳥取県の宇宙産業拠点「ルナテラス」&月面探査ローバーです

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