高市元大臣の後任も筋金入りのマニア! 愛車の異名は「走るシーラカンス」まさかの激レア車
20年以上モデルチェンジなしで生産
「デボネア」のメカニズムは、モノコックボディにフロントエンジン・後輪駆動(FR)というコンポーネントを組み合わせており、サスペンションは前輪が独立式シングルウィッシュボーン、後輪が半楕円リーフリジッドという手堅い設計でした。なお、ボディは全長・全幅ともに小型車規格ぎりぎりのサイズで設計されたことから、そのスタイリングは直線基調のスクエアなものとなっていました。
デザインを担当したのは、GM(ゼネラル・モータース)出身のカーデザイナーであったハンス・S・ブレッツナーです。彼は、前後の四隅にエッジを立て、フロントグリルの面積を広く取ることで、限られたサイズながらも高級車としての押し出し感を演出しています。また、メッキを多用した装飾は、当時のアメリカ車の流儀に則ったものでした。
三菱の最高級車として誕生した「デボネア」は、三菱グループ傘下の企業で重役専用車として多用されたほか、官公庁にも納入されています。しかし、ライバル車に比べて価格が割高だったことに加え、「三菱グループ御用達のクルマ」とのイメージが強く、非三菱系企業の関係者から敬遠されたこともあって、デビュー直後から販売は低迷。モデルチェンジをしても採算が見込めないことから、その後、22年間もスタイルを大きく変えることなく、生産が継続されています。
モデル後期の1980年代に入ると、現行モデルとは思えない古色蒼然としたスタイリングからクルマ好きのあいだでは「走るシーラカンス」と揶揄されるようになります。
しかし、「デボネア」のモデル末期に、当時「週刊少年ジャンプ」で連載中だった秋本 治さんの人気マンガ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』、いわゆる『こち亀』に登場したことで、思わぬ形で脚光を浴びます。
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