「世界の終わりの日の飛行機」なぜ“大韓航空のお下がり”に!? 米国の超重要機の代替 “最新機はNO!”のワケ
機体は中古でも内蔵するシステムは最新
B747-8はB747シリーズの最終モデルですが、2023年1月に製造を終了しています。4発旅客機の新造プラットフォームはありませんので、アメリカ空軍は中古機を購入するしかなかったわけです。
ほかにも政府が「完全にオープンな調達」で「中古の民用機を検討する用意がある」という方針を示していることもあり、中古のB747を使うことは製造コストの削減、更新の迅速さ、運用経験と信頼性、既存整備インフラが使えるなどの利点もあるようです。
機体は中古でも、内蔵するシステムは最新です。任務の性格上機密が多いのですが、持続的な空中作戦を可能にする空中給油能力、電磁パルス(EMP)および核の影響に対する防護、核指揮・制御・通信(NC3)能力、モジュラー・オープン・システム・アプローチ(MOSA)に基づくセキュアな通信およびプランニング機能が備わっており、核戦力指揮能力はしっかり強化されています。災害対応ではなく、主要な任務は核戦争対応であることを再確認させられます。
ただ、もし本当に「世界の終わりの日」が来たら、エンジンがいくつあろうと最後はグライダーになってしまうというのは冗談にもなりません。
【了】
Writer: 月刊PANZER編集部
1975(昭和50)年に創刊した、40年以上の実績を誇る老舗軍事雑誌(http://www.argo-ec.com/)。戦車雑誌として各種戦闘車両の写真・情報ストックを所有し様々な報道機関への提供も行っている。また陸にこだわらず陸海空のあらゆるミリタリー系の資料提供、監修も行っており、玩具やTVアニメ、ゲームなど幅広い分野で実績あり。
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