国会議員の「黒塗り」一般人は乗れるの? 知られざる運転手の身分 じつは使い方でトラブったことも

一般に黒塗りのセダンというイメージが強い、行政機関や立法府の公用車。国務大臣や自治体の首長、衆参両院の国会議員らが公務で使用する場合は利用規約に沿う必要があります。一般にはほとんど知られていない「公用車の使い方」とは。

国会議員なら無料で使える公用車って?

 国政の中枢である永田町でよく見かける公用車の多くは、衆参両議院が所有する国会議員が公務に使用する公用車です。2024年現在、衆議院には133台、参議院には97台の公用車があり、専用車があてがわれる正・副議長と各委員長を除くと、各政党には所属議員の数に応じて割り当てられています。なお、割り当てられた公用車は所属政党の議員のみが使用することになっており、うち1台は党首専用車として使用されることが多いようです。

 車種はトヨタ「クラウンセダン」や「プリウス」などの4ドアセダンのほか、最近では「ノア」などの5ナンバーサイズのミニバンの導入も増えています。また、昨今増えつつある身体に障害のある国会議員にも対応できるよう、車椅子のまま乗り降りできる福祉車両も公用車として導入・運用されています。

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最近はミニバンタイプの公用車も増えている。写真はイメージ(画像:PIXTA)。

 国会の公用車は衆参両院それぞれで管理しており、運転手は衆参それぞれの職員が務めます(一部外部委託もあり)。彼らは公務員のため守秘義務が課せられていることから、公務中に見聞きしたことは外部に漏らすようなことはないようになっています。また、公用車の運行経費はすべて税金で賄われているため、旅客運送を目的としたタクシーやハイヤーとは異なり、どれだけ利用しても国会議員に運賃が請求されることはありません。

 なお、公用車の利用規約として「利用時間は3時間以内」というルールが一応設けられていますが、運用は柔軟でスケジュールが空いていれば時間をオーバーしても問題とならないようです。

 また、政党に割り当てられた公用車が空いていれば国会議員なら誰でも利用できることから、マイカーを持たない議員のアシとして重用されています。

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