日本海軍「屈指の異形戦艦」とは まるで違法建築!? どうしてここまでゴテゴテに…?

1915年11月8日、日本が独自に設計した初の超弩級戦艦である「扶桑」が竣工しました。当時は戦艦を建造する経験が不足しており、その生涯は試行錯誤の連続でした。

旧式ながら圧倒的な米艦隊に挑む

 大正時代は比較的平穏に過ごした「扶桑」でしたが、太平洋戦争開戦時には既に旧式化。真珠湾攻撃やミッドウェー海戦には後詰めとして参加したものの、交戦機会はありませんでした。

 

 ミッドウェー海戦で主力空母4隻を失った日本海軍は、「扶桑」を空母化する計画を打ち立てます。結果的に中止となるものの、一時は工期短縮案として、「伊勢」や「日向」のような航空戦艦化も検討されました。

 

 既に海戦の主役は航空機に移り、他の戦艦より速力が遅く旧式の「扶桑」は扱いに困る存在でした。ミッドウェー海戦後は練習艦となり、輸送支援などの後方任務についています。

 

「扶桑」最後の戦いとなったのが、1944(昭和19)年10月18日に発動された「捷一号作戦」です。日本海軍はレイテ島へのアメリカ軍の上陸を阻止すべく、オトリの機動部隊(小沢艦隊)を日本本土から出撃させて敵の戦力を引き付け、その隙に主力部隊(栗田艦隊)と別動隊(西村艦隊、志摩艦隊)をレイテ湾に突入させ、艦砲射撃で上陸部隊を撃滅しようとしました。

「扶桑」は別動隊の西村艦隊の一員として、姉妹艦「山城」や重巡洋艦「最上」、駆逐艦「山雲」「満潮」「朝雲」「時雨」とともに、わずか7隻でスリガオ海峡方面からレイテ島を目指すことになります。

 

 作戦を成功させるためには、主力部隊(栗田艦隊)と同時にレイテ湾へ突入する必要がありましたが、主力部隊はシブヤン海で米軍機の激しい攻撃を受けて進撃が遅延。そのため別動隊が単独で突入する形となり、40隻以上の圧倒的な艦隊で待ち構えるアメリカ軍の猛攻を受けてしまいます。

 

 そして「扶桑」は砲撃戦を行うことなく、アメリカ海軍の駆逐艦から雷撃を受けて艦隊から落伍し、10月25日未明に沈没しました。

 

 建造当初から問題が多く、活躍の機会も無かった「扶桑」ですが、建造で得られた教訓は2番艦の「山城」や伊勢型戦艦へ反映されていきます。試行錯誤の試みは、後に日本が世界水準の主力艦を建造するための貴重な経験となりました。

【了】

【画像】同型艦なのに明らかに違う!これが戦艦「扶桑」と「山城」の並びです

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 「USB挿しっぱ」でクルマが“故障”する? 三菱公式の投稿にSNS騒然 「一体ナゼ?」「これマジで起きるよ」
  2. 都市に迫るロシア軍の「弾道ミサイル」が“空中で木っ端みじん”になる瞬間をウクライナ軍が公開 追尾から撃墜まで詳細に
  3. 海自潜水艦 アメリカ海軍の“歴戦の揚陸艦”を標的に魚雷発射! 実弾演習で巨大な水柱があがる瞬間を公開
  4. 海自艦がロシア海軍の「超静かな潜水艦」を確認!浮上航行する姿を捉えた画像を防衛省が公開
  5. バス運転士「辞めないで」 東京都が“給与の手当”を10年間補助! 独自の定着支援で「路線廃止」を防ぐ
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開