新車で買える「80年前のクラシックカー」エアコン・エアバッグだって付け放題! どういうこと?

41年ぶりに蘇ったアルヴィスは合法的に乗れる新車のクラシックカー

 なぜなら、アルヴィスが現在生産している「コンティニュエーション・シリーズ」は、イギリス政府から製造認証を受けてはいたものの戦争などの影響で実際にラインオフした車両はそれよりもずっと少なく、シャシーナンバーが割り振られたまま生産されずに宙に浮いていた車両を21世紀になって製造したモデルだからです。たとえるなら、出生届だけ大昔に出されていたけれど、生まれたのは昨日という子供のようなもので、肉体年齢は0歳でも戸籍上は70歳になるというわけです。

 どうして、そんなことが許されるのかと疑問に思われる人がいるかもしれませんが、そこはクラシックカー文化に理解のあるイギリスというお国柄がなせる技なのでしょう。

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乗用車からの撤退後、アルヴィスは好調だった軍用車両に経営資源を集中する。写真は同社の主力製品のひとつだったFV101「スコーピオン」軽戦車(画像:アイルランド国防省)。

 彼の地の法律では、生産が年間300台を超えないメーカーに関しては、現代の安全装備や排ガス規制をクリアさせる必要がないとしており、日本でも割り振られた車体番号で登録が可能になるため、保安基準を満たさずともナンバー取得が可能となるのです。

 なお、アジア地域の総代理店は1950年代からアルヴィス車を取り扱っていた「明治産業」が引き続き務めています。気になる「コンティニュエーション・シリーズ」のお値段は6000万~7000万円ほど。クラシックカーが世界的に高騰するなか、イギリス最高峰の高級クラシックカーが新車で手に入るというのですから、考えようによってはお値打ち価格かもしれません。

【了】

【写真】アルヴィスが開発した「異形」6WD戦闘車両たち

Writer: 山崎 龍(乗り物系ライター)

自動車やクルマを中心にした乗り物系ライター。愛車は1967年型アルファロメオ1300GTジュニア、2010年型フィアット500PINK!、カワサキZX-9R、ヤマハ・グランドマジェスティ250、スズキGN125H、ホンダ・スーパーカブ110「天気の子」。著書は「萌えだらけの車選び」「最強! 連合艦隊オールスターズ」「『世界の銃』完全読本」ほか

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