「これ跨いで走っていいのかな…?」 高速道路の車線のど真ん中に“ナゾの緑の線” ビミョーだけど効果アリ?
道路の車線のど真ん中に、緑色の線が引かれた区間に遭遇。実際に見てみると、線もかなり薄くなっているような印象ですが、果たしてどのような効果があるのでしょうか。
車線上に突如現れた看板と「緑の線」
2024年のある日、和歌山から京奈和道を奈良方面に走っていると、「ん、何か線が引いてある…」と気づきました。路面の真ん中付近に、見慣れない「緑色の実線」が連続して引かれているのです。線に気づいたと同時に、「これか!」と思い出しました。
これは、「車両誘導線」と呼ばれるものです。京奈和道の紀の川IC-紀の川東IC間には、関西で初めて、2023年11月の末頃に施工されています。
この線は、クルマで“跨いで走る”のが正解。実は、車線のど真ん中よりやや右側に引かれており、線が運転席の真下に来るように走ります。線の始点付近には、そのことをイラストで示す看板も設置されていました。
こうすることで、中央分離帯のワイヤーロープ式防護柵から、適切な間隔を保って走れるとされています。
ワイヤーロープ式防護柵は暫定2車線区間における中央分離帯の安全対策として設置されているものですが、それへの接触事故も多発していることから、安全対策のために緑の線が引かれました。もともとは秋田で考案され、同地の暫定2車線高速から導入されたものです。
ただ京奈和道の緑の線は、場所にもよりますが、1年近く経っているためか「確かに何か線がある」というくらいの薄さ。経年の影響もうかがえました。
すぐ前の車両は軽自動車でしたが、線が始まる地点付近の幅に余裕のある区間では、線の左側を走っていました。しかし、幅が狭まるあたりからは緑の線をまたいで走るように。線の存在に気づいたからかは分かりませんが、さらに前のクルマを見る限り、みな線をまたいできれいに列を作って走っている印象でした。
おそらく普通車ならば自然に車線をまたいで走る一方で、車幅の狭い軽自動車は、線を右のタイヤで踏んで走ってもおかしくないほどの余裕があります。軽自動車のほうが、踏まないように意識して走る必要がありそうです。
ただ、またいで走ることをイラストで示した看板は線の始点付近にしかないうえ、線の色が薄くなっていることもあり、意味を知らないまま通過しているケースも考えられます。とはいえ、「何か線が引かれているぞ」と思わせ、「これでいいのかな?」という意識のまま、自然に跨いで走っている――そんな効果はあるのかもしれません。
NHKの報道によると、誘導線施工後の1年間でワイヤーロープへの接触事故は前の1年間の17から7件減って10件になったとのこと。一定の効果はあるとされています。
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