階段だけど「国道」 日本唯一の珍スポットにあった“拡張計画”とは? 世紀の国家プロジェクトの裏で

現地で見たら階段じゃないと無理だった

 階段国道の誕生の経緯については諸説あります。青森県観光情報サイトによると、もともとあった階段部分を後に道路整備する予定で国道指定したが、高低差や付近に民家が密集していることから断念、そのまま現在に至った結果だと紹介されていました。

 龍飛崎は全体が丘になっており、集落と龍飛漁港はその下の海岸線沿いに丘と海に挟まれるように存在しています。丘の上と下の海岸線の間は、崖のように急勾配の斜面になっているため、周辺は丘の上と海沿いの集落が地形によって分断されています。この階段国道は、上下の集落を歩いて行き来できる唯一のルートです。

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階段国道の丘の上の入り口部分。石造りの立派な階段に、外灯まで整備されていた(布留川 司撮影)。

 国道339号が指定されたのは1974年ですが、当時は現在のように、すべての区間が整備されていたわけではなく、指定後に工事を行うことを前提にした未開通区間もありました。そのため、この階段国道だった部分も、後に道路として拡幅・改修する計画だったのでしょう。

 じつは現在の階段も、国道指定された当時の姿がそのまま残っているワケではありません。観光地として現在の形に整備されたのは1990年代中頃で、それ以前はまったく別の形で地元民に利用されていました。

【お邪魔します!】民家の軒先を歩く、これが階段国道の全貌です(写真)

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