圧巻!?「他国機っぽい中国の軍用機」がズラリ! 中国の空の祭典がちょっと特殊すぎた

デモフライトも超アツかった!

 JL-10は高等練習機と軽攻撃機を兼用できる機体として計画され、開発にはロシアのヤコブレフ設計局が支援しているためロシアのYak130と非常によく似ています。発表によると、機体制御には電気を用いて動翼を操作するシステム「フライバイワイヤ」が搭載され、計器類はモニターが並ぶ「グラスコックピット」が採用されているのこと。この機体は中国では空軍と海軍の双方が採用しているほか、アラブ首長国連邦からも受注するなど輸出にも力を入れています。

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珠海航空ショーで展示されたJL-10(細谷泰正撮影)。

 なお、これらの機体の多くは、航空ショーで初公開のものでした。

 このほか、今回の目玉となったのが中国とロシア、双方のステルス戦闘機による展示飛行でしょう。前者は最新鋭ステルス戦闘機J-20を用いて行い、後者は、Su-57を持ち込んだため、はからずも“競演”のような形になっていました。両機種とも地上展示はありませんでしたが、デモ飛行は毎日行われていました。

 このほかにも、ロシアのアクロバット飛行チーム「ロシアン・ナイツ」が曲芸飛行を行っており、元気な姿を披露していました。

 なお。2023年に行われた前回の同航空ショーでは民間機の公開がメインでしたが、今回は軍用機と旅客機が中心の内容になりました。中国で軍用機が一般公開されるのは2018年以来6年ぶりで、今回はロシアの最新機が参加するとの事前報道もあったため、来場者数も過去最高となった模様です。

 中国では国家戦略として米ロに続く軍事大国を目指すことを掲げていますが、今回のショーを見ただけでもその目標に向けて着実に成果を上げているといえるでしょう。こうした航空・軍事産業の発展に国民からは熱い視線が注がれていることも間違いなさそうです。

【了】

【写真】貴重だ! 「珠海航空ショー」に現れた珍機たち

Writer: 細谷泰正(航空評論家/元AOPA JAPAN理事)

航空評論家、各国の航空行政、航空機研究が専門。日本オーナーパイロット協会(AOPA-JAPAN)元理事

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