豪華寝台特急「カシオペア」 長期運休続く

鉄道車両の「車検」とは?

 鉄道車両の定期検査について、「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」で以下のように決められています。

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(施設及び車両の定期検査)
第九十条  施設及び車両の定期検査は、その種類、構造その他使用の状況に応じ、検査の周期、対象とする部位及び方法を定めて行わなければならない。
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 具体的なその検査体系は会社や車両によって異なるため一概にはいえませんが、以下に一例を挙げます。

●仕業検査
48時間以内にパンタグラフやブレーキなど、運転に必要な部分について主に目視で検査する。

●交番検査
30日、もしくは3万km走行以内に、機器類を分解せず動作の確認や消耗部品の交換などを行う。

●重要部検査
4年、もしくは60万キロ走行以内にモーターやブレーキなど運転に必要な主要機器を取り外し、詳細な整備を行う。

●全般検査
8年以内に実施される最も大がかりな検査で、車両からほとんどの機器を取り外して整備、補修、塗装などを行う。

 一般的に、仕業検査と交番検査はその車両が所属する車両基地で行われますが、車体と台車を切り離すなど大がかりになる重要部検査と全般検査は大宮総合車両センターなど、設備の整った工場へ送られ実施されます。

 ちなみに「カシオペア」のE26系客車が検査に入っている大宮総合車両センターは明治時代から続く歴史ある鉄道車両の工場で、その工場や大宮操車場などが立地し関係者が周辺に多数居住したことなどから、旧大宮市は「鉄道の街」と呼ばれました。

【了】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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