開業迫る上野東京ライン 常磐線に憶測渦巻く

来春に開業予定の上野東京ラインにおいて常磐線がどういう扱いになるのか、様々な憶測を呼んでいます。そこには常磐線の他路線とは違う、独特な事情がありました。

車両が同じなのに困難な理由

 常磐線の上野駅にはもうひとつ、緑の帯を巻いた「快速電車」もやって来ます。この車両はデザインこそ違いますが東海道本線を走るのと同じE231系であるため、直通運転自体は難しくありません。また常磐線の「快速電車」は上野~取手間の運転なので、直流・交流両対応は不要です。つまり東海道本線の車両と共通的に使うことができるため、遠くまで多くの列車が直通運転をすることになっても、編成数の心配はいりません。

 しかしそれとは別に、大きな問題が存在しています。東海道本線の普通列車はすべてグリーン車が連結されていますが、常磐線「快速電車」にはグリーン車がないのです。そのため直通した場合、グリーン車のある列車とない列車が入り乱れ使いづらい、混乱するなどの問題が発生してしまうのです。

 そのためやはり、上野東京ラインの開業にあたって常磐線は様々な憶測を呼んでいるというわけです。

 常磐線の列車が上野東京ラインを走ることはすでに公表されていますが、それが何の列車であるのかは現在のところ、不明です。あくまで可能性の話ですが、常磐線の特急列車「スーパーひたち」「フレッシュひたち」だけが直通するのかもしれません。すでにその特急車両の試運転が上野東京ラインで行われています。しかし常磐線「中距離電車」「快速電車」の車両はまだ、上野東京ラインに姿を現していません。

 ただ2014年9月に常磐線のE531系電車が1編成、4年ぶりに新しく製造されています。編成の数が増やされたのです。果たして何を意味しているのでしょうか。

 様々なことが考えられますが、品川駅折り返しなら編成の数についてもグリーン車の件についても問題ないのでは、という見方がひとつあるようです。品川駅はホームに余裕があり、上野駅方面から来た列車がそこで折り返すことは難しくありません。

 常磐線沿線の自治体では鉄道の利便性向上に伴う地域発展などを想定し、JR東日本に対して常磐線の東京駅乗り入れがより便利なものになるよう求める動きがあります。2014年1月には橋本茨城県知事が「JRはまずは特急という考えがあるだろうが、それだけではなく我々としては通勤電車も入れてほしい」といった主旨の発言をしています。

 JRでは毎年3月に行われるダイヤ改正について、前年12月20日頃に詳細を発表するのが近年の流れになっています。2015年3月に新しく誕生する上野東京ライン、常磐線の行方に要注目です。

【了】

Writer:

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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