東海道新幹線のホームドア その早さも日本一

新幹線の「速さ」で誕生した日本初のホームドア

 ホームドアが日本で一番早く設置されたのはどの路線でしょうか。人がホームに多い通勤通学路線が頭に浮かぶかもしれませんが、実は東海道新幹線だったりします。

 日本で最初にホームドアが設置されたのは東海道新幹線の熱海駅(静岡県熱海市)で、1974(昭和49)年1月のことです。しかし熱海は温泉などがある観光地とはいえ、ラッシュでホームに人があふれるような駅ではありません。なぜこの駅が最初なのでしょうか。

 1964(昭和39)年の東海道新幹線開業から長年にわたって、熱海駅には各駅停車タイプの「こだま」しか停車せず、速達形の「ひかり」はすべて通過していました。現在も「こだま」と一部「ひかり」しか停車しません。

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通過列車の多い新幹線駅では通常、ホームがある線路とは別に通過専用の線路(中央の2本)が設けられている。写真は東海道新幹線小田原駅(2011年11月、恵 知仁撮影)。

 このように通過列車が多い新幹線駅では通常、ホームがある線路のほか、通過専用の線路が設けられています。乗客がいるホームの目の前を新幹線が通過していくのはとても危険です。

 しかし熱海駅は土地の制約から通過専用の線路を設けることができず、新幹線がホームの鼻先を通過する形になってしまいます。そこで同駅では新幹線開業当初から列車到着時以外のホーム入場を制限するといった対策が行われていましたが、列車本数や乗客の増加でそれが難しくなり、1974年にホームドアが設置されたという流れです。日本初のホームドアは新幹線の「速さ」によるものでした。

 ちなみに熱海駅のホームドアは、設置から37年が経過した2011年12月から翌年7月にかけて新しいものへ取り替えられました。JR東海によるとこのとき、初代新幹線0系の扉位置に合わせて設置されていたホームドアを、N700系・700系に合わせたものにしたとのこと。時代を感じさせます。

【了】

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Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道ライター、イラストレーター。「鉄道」や「旅」に関する執筆活動や絵本の制作を行っているほか、鉄道車両のデザインにも携わる。子供の頃からの旅鉄&撮り鉄で、日本国内の鉄道はJR・私鉄の全線に乗車済み。完乗駅はJRが稚内で、私鉄が間藤。メインは「鉄道」だが、基本的に「乗りもの」好き。

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