東海道新幹線のホームドア その早さも日本一
JR東海では新幹線駅へのホームドア設置を進めており、2015年1月からは新たに京都駅で使用が開始されます。安全性向上のため近年広く設置が進むホームドアですが、実はそれを日本で初めて使用したのは東海道新幹線で、理由も新幹線らしいものでした。
新幹線の「速さ」で誕生した日本初のホームドア
ホームドアが日本で一番早く設置されたのはどの路線でしょうか。人がホームに多い通勤通学路線が頭に浮かぶかもしれませんが、実は東海道新幹線だったりします。
日本で最初にホームドアが設置されたのは東海道新幹線の熱海駅(静岡県熱海市)で、1974(昭和49)年1月のことです。しかし熱海は温泉などがある観光地とはいえ、ラッシュでホームに人があふれるような駅ではありません。なぜこの駅が最初なのでしょうか。
1964(昭和39)年の東海道新幹線開業から長年にわたって、熱海駅には各駅停車タイプの「こだま」しか停車せず、速達形の「ひかり」はすべて通過していました。現在も「こだま」と一部「ひかり」しか停車しません。
このように通過列車が多い新幹線駅では通常、ホームがある線路のほか、通過専用の線路が設けられています。乗客がいるホームの目の前を新幹線が通過していくのはとても危険です。
しかし熱海駅は土地の制約から通過専用の線路を設けることができず、新幹線がホームの鼻先を通過する形になってしまいます。そこで同駅では新幹線開業当初から列車到着時以外のホーム入場を制限するといった対策が行われていましたが、列車本数や乗客の増加でそれが難しくなり、1974年にホームドアが設置されたという流れです。日本初のホームドアは新幹線の「速さ」によるものでした。
ちなみに熱海駅のホームドアは、設置から37年が経過した2011年12月から翌年7月にかけて新しいものへ取り替えられました。JR東海によるとこのとき、初代新幹線0系の扉位置に合わせて設置されていたホームドアを、N700系・700系に合わせたものにしたとのこと。時代を感じさせます。
【了】
Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)
鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。
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