寝台特急衰退 上野駅名物「推進回送」も消滅の危機
危機を迎える上野駅名物「推進回送」
この問題を解決するため、上野駅発着の寝台特急ではある特殊な手段が用いられています。尾久の車両基地を発車するとき、機関車を先頭ではなく最後尾に連結し、客車を先頭にしてバック運転で上野駅まで走行。折り返しお客さんを乗せて札幌駅へ向け発車するとき、機関車が前になるので通常通り走れる、という方法です。
このように後部に連結された機関車などが、車両を後ろから押す形で実施される運転を「推進運転」といいます。
ホームが行き止まりになっている上野駅では、この推進運転により寝台特急の車両回送(推進回送)が行われおり、上野駅を発着する寝台特急の「名物」になっています。
しかし2015年春に「北斗星」が廃止されると、定期運行される上野駅発着の寝台特急はなくなります。そのため上野駅で毎日行われていた全国的に珍しい推進回送についても、消滅の危機を迎えるのです。
ただ2015年春以降も「北斗星」の臨時運行が考えられているほか、「カシオペア」が引き続き不定期で走るため、直ちに上野駅の推進回送が見られなくなるわけではありません。しかし両列車とも2016年春を予定している北海道新幹線の開業に伴い去就が注目されており、近い将来、上野駅名物「推進回送」は昔話になる可能性もあります。
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