トラック業界の問題が商機に JR貨物ダイヤ改正
鉱山跡地へエコ列車を運行
2015年3月14日のJR貨物ダイヤ改正では、東京都荒川区の常磐線南千住駅付近にある隅田川駅という貨物駅から、秋田県大館市の大館駅へ向かう貨物列車が新設されます。
この貨物列車が運ぶのは焼却灰やリサイクル物資。秋田県大館市には閉山した鉱山跡地を活用したリサイクル工場などがあり、東京からそこへ向けて「エコ関連物資列車」が新たに設けられるのです。
それにより、従来は隅田川駅から大館駅まで途中、秋田貨物駅で中継して到着まで中1日を要していたものの、ダイヤ改正以降は翌日到着になります。
ちなみに「エコ関連物資列車」のダイヤは以下の通りです。東京から新潟へ出て、日本海沿いに秋田へ向かうルートで運転されます。
列車番号:2091/輸送力:12フィートコンテナ100個
隅田川17時13分発→大館10時50分着
列車番号:2090/輸送力:12フィートコンテナ100個
大館15時17分発→隅田川11時37分着
JR貨物はCO2削減などの環境対策、トラックドライバー不足が課題になっている現在の日本で「モーダルシフトの大きな“うねり”」が起きているとし、今回のダイヤ改正で「鉄道コンテナによるモーダルシフトをさらに推進して、環境保全への取組み強化とともにお客様の多様なニーズにお応えする」としています。
※「モーダルシフト」:貨物輸送をトラックから大量輸送機関である鉄道、海運に転換すること。
【了】
Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)
鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。
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