府民の憧れともいう「阪急マルーン」 守り続けられるその色

テレビ番組で阪急電車は「大阪府民あこがれの対象」、「阪急マルーンの塗色に高級感がある」と紹介されました。近年、鉄道車両にはシルバーの地肌をむき出しにしたものが多数見られますが、阪急電車の塗色はすべてその「阪急マルーン」です。なぜそうしているのか、背景には100年を越える歴史がありました。

「見た目」だけではない塗装の目的

 まず鉄道車両を塗装する理由について、見た目のほかに大きな理由があります。塗装で車体を守り、腐食を抑えるためです。

 近年、金属地をむき出しにしたシルバーの電車が多いのは、車体の材質が鋼鉄から腐食しづらいステンレスやアルミ合金に変わったことが深く関係しています。つまり車体が腐食しづらくなり塗装の必要性が薄れたため、金属地をむき出しにした電車が増えているのです。

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「阪急マルーン」に塗られたアルミ合金の車体を持つ9300系電車(2013年1月、恵 知仁撮影)。

 阪急にも2003(平成15)年に登場した9300系など、塗装の必要性が高くないアルミ合金製の車両が多数走っていますが、すべて「阪急マルーン」です。その理由を阪急電鉄にたずねたところ、「伝統」と「ブランドイメージ」を考えてのものといいます。

 車体は塗装しないほうが、車両製造費やメンテナンス費用が安くなります。しかし「阪急マルーン」の車体塗色には同社が創業から100年以上つちかってきた歴史とブランドがあり、地域の人々にも親しまれていることから、全車両で継続してこの「阪急マルーン」を使っているそうです。

 ただ実は20~30年ほど前、ほかの色を使うことも検討したことがあるのだとか。様々なカラーバリエーションが考えられたそうですが、伝統の「阪急マルーン」に落ち着いたといいます。

 ちなみに番組では、関西の私鉄が関東の私鉄に例える形でも紹介されており、南海は京成、阪神は京急、近鉄は東武、京阪は西武、阪急は東急東横線に例えられました。

【了】

Writer:

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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コメント

2件のコメント

  1. 塗装不要な車輛に「あえて」塗装をすることで毎年1両当りどれ程の出費増となっているのか、そこらへんも取材して欲しかったな

  2. ついでに西成へ直通すべき

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