列車を襲った津波 そこで得られた5つの教訓
東日本大震災では、列車も津波の被害を受けました。幸いにも人的被害は発生しませんでしたが、ちょっとした違いが明暗を分けるなど紙一重だった部分もあり、大きな教訓が得られています。
津波被害を受けた5本の列車
2011年3月11日に発生した東日本大震災では鉄道も大きな被害を受け、揺れによる損傷や津波による線路の流出が各所で発生しました。
国土交通省東北運輸局監修『よみがえれ! みちのくの鉄道 ~東日本大震災からの復興の軌跡~』によると、地震発生直後に運転を見合わせたのは全国42鉄道事業者、177路線におよび、そのうち76路線が地震・津波による被害を受けたと記されています(旅客鉄道に限ったデータ。以下同様)。
東北地方太平洋沿岸部のJR在来線、三陸鉄道、仙台空港鉄道ではそのとき、20列車(貨物を除く)が営業運転を行っており、うち5列車が津波による被害を受けてしまいました。しかし乗務員の避難誘導、乗客の協力によって人的被害は発生していません。
JR常磐線の仙台発原ノ町行きの普通244M列車は、新地駅(福島県相馬郡新地町)に停車していたときに地震が発生。乗務員は自分の携帯電話や車両に配備されていたラジオ、また近隣住民からの情報で津波の来襲を知り、乗り合わせた警察官に新地町役場まで乗客の避難誘導を依頼します。
ただ乗務員は、列車と共に新地駅へ残りました。そしてその後、新地駅は津波に襲われ、停車していた244M列車は脱線して流出。駅周辺も壊滅的な被害を受けてしまいますが、幸いにも乗務員は駅の跨線橋に避難し難を逃れ、そこで一夜をすごしたのち翌日に救出されています。
震災は3月11日です。極めて不愉快。
記事に誤植があります。冒頭で東日本大震災が発生した日付が「3月14日」になっています。