クルマの自動運転 立ちはだかる「責任」の壁
自動運転時代におけるドライバーの責任は?
しかし万が一事故が起きた場合、ドライバーと自動運転のクルマのどちらが責任を負うべきなのでしょうか。自動運転の実現にあたって、ドライバーの権利と責任の範囲を定義する必要が出てきました。ジュネーブ条約(1949年ジュネーブ道路交通条約)では、乗用車を運転するドライバーは「責任をもって操作すること」と規程されています。しかしある程度の自動運転が可能となれば、ドライバーの権利と責任の意味が変わってくるかもしれません。
走行中に「手を放してもいいのか」、あるいは「サブタスク(他の作業)を認めるのか」という新たな議論も賑やかです。現状の法解釈ではサブタスクは認められませんし、ハンドルから手を放すことも禁じられています。
自動運転が技術的に可能となっても、安全運転の責任はあくまでも「ドライバー主体」という解釈を貫くと、ユーザーに自動運転のメリットが享受されません。そのため自動運転が技術的に可能となり、それを有効に利用しようと考えた場合、ドライバーの責任を明確にする必要があるのです。
当然、これらについて日本でも議論されており、内閣府が主導する「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」では、ドライバーの責任と権利に関する新しい解釈を国際社会と連携しつつ検討しています。
今後、自動運転の実現に向けて、そうした責任の所在など「人と機械の関係」が重要になるでしょう。これは人工知能AIやロボット時代に避けて通れない課題です。また半自動運転では、何らかの不都合がシステムに生じると運転主権をドライバーへ戻すことになりますが、その戻し方にも工夫が必要でしょう。運転主権を突然戻されても、人は対応できないからです。その実現と有効活用に向けていま、このあたりの議論が活発に行われています。
今回紹介したニュースに関しては下記の動画サイトでも取り扱っております。
http://www.startyourengines.net/
【了】
Writer: 清水和夫
1954年生まれ東京出身。武蔵工業大学電子通信工学科卒業。国内外のラリー・レースで活躍。同時にモータージャーナリストとして安全・環境・技術を中心に取材。TVコメンテーターやシンポジウムのモデレーターとしても多数出演。
解決方法は簡単なんだよ。「運転に責任を持つ法人」を設立して、そこが形式的に「遠隔操作している」と言うことにすれば責任はその「遠隔操作センター」が引き受ける事ができる。
むろん、実際には遠隔操作と言うよりは遠隔監視程度の業務で、99%以上の操作は自動運転と言うことになる
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全て運転者の自己責任になります