日高本線復旧へ2プラン 工費削減の徐行運転案も

線路が高波被害を受け、その多くの区間が不通になっている日高本線。JR北海道が復旧に必要な概算工事費と工期について、「列車の徐行運転を行う場合」などふたつの案を出しました。しかしどちらの案でも多くの工費が必要なほか、復旧までには数年を要しそうです。

一年中は行えない工事

 2015年4月28日(火)、JR北海道は不通になっている日高本線について、その復旧に必要な概算工事費と必要工期を発表しました。同線は海沿いを行き風光明媚な路線として知られていますが、高波による線路被害のため鵡川~様似間が不通になっており、その区間ではバスによる代行運転が行われています。

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日高本線の車窓。波しぶきがかかりそうな場所を行く(2012年10月、恵 知仁撮影)。

 日高本線の復旧にあたりJR北海道が出した案はふたつで、「対策案A」は概算工事費がおよそ57億円、必要工期については「護岸改築、吹付枠工の施行には長期間を要する」とされ、具体的な日数は示されていません。

 もうひとつの「対策案B」は概算工事費が約26億円、必要工期は約30ヶ月と比較的安価で、工期も具体的ですが、こちらは列車を25km/hの徐行運転にして安全を確保する代わりに、対策を必要最小限にしたものです。

 これらについて、工事期間中に列車の運行がないことが前提にされています。また工事が可能な期間は、4月から10月までの7ヶ月間とのこと。そのため仮に「対策案B」を実行した場合、1年中工事が可能であれば3年未満で完了できますが、実際にはそれ以上の年月を要することになります。

 JR北海道は今後、護岸の詳細調査と対策工事に向けた準備工事、各工事の詳細設計や施工計画の策定を進めていく方針です。

【了】

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