ETC2.0はスマホに勝てるのか? その将来は

ETCは将来、どうあるべきなのか?

 日本のETCは、世界で最も高価かつ複雑なシステムです。こんなに高価になってしまったのは、旧建設省、旧運輸省、警察庁などの省益がぶつかりあった結果で、もっと安価にすることもできたはずですが、現状、車載器の価格もそこそこ下がっており、利用率は約9割にまで上昇。エラーも非常に少なく、なによりも料金所渋滞が解消しました。成果は十分にあったと思います。

 ただ、この上さらに複雑なシステムを構築して車載器の値段を上げても、ほかの電子機器との競争に敗れることは必至で、何の意味もありません。

 つまり、ETC2.0に対する料金割引は、これまでITS(高度道路交通システム)を国策として進めてきた国交省の省益やメンツを守るためにすぎず、まったく無意味な税金のムダ遣いです。

 ETCはむしろ、もっと安く簡易にすることを目指すべきではないでしょうか。もはや駐車場など民間への利用拡大も見込めませんから、料金収受に絞って機能をシンプル化し、車載器の価格を下げ、全車に装着義務付け可能なところまで持って行ければ、ロードプライシングへの活用など、新たな展望が開けるでしょう。

【了】

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Writer: 清水草一(首都高研究家)

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で、首都高研究家/交通ジャーナリストとして活動中。

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