なぜ渋滞予報士は1人だけなのか その意外な存在意義
的中率は8割 なぜ2割外れてしまうのか
――渋滞予報という取り組みはいつごろから始めたのでしょう?
加藤「日本道路公団時代、1987(昭和62)年の年末年始から、交通集中渋滞の予測情報提供を実施しています」
――そんなに以前からでしたか。2007年に渋滞予報士が誕生したころ、加藤さんはどちらの部署にいたんですか?
加藤「私はまだ大学院の学生でした。NEXCO東日本に入社したのは2009年です」
――まだお若いんですね。専攻は?
加藤「東北大学大学院の工学部で交通工学を学んでいました。入社後はまず千葉工事事務所へ配属され、外環道千葉区間の高谷JCTを担当。震災直後の2011年からは福島県の郡山管理事務所に出向し、道路のメンテナンスに携わりました。そして2013年から交通技術課に異動して渋滞予測に携わり、昨年4月から4代目の渋滞予報士になりました」
――なるほど。現場勤務を経て、いままさに学生時代の専攻を活かしているわけですね。ところで渋滞予報は的中率約8割とのことで、信頼性は相当高いのを実感していますが、それでも2割は外れます。その外れ方はどういうパターンでしょう?
加藤「予想が外れる原因として最も多いのは天候です。続いて事故や故障車ですね」
――渋滞予報のアナウンス効果で、利用者が時間帯をずらすことで渋滞がずれる、という部分もあるのでは?
加藤「もしそうだとしたら、渋滞予測に対するお客様の関心の表れかもしれません」
――個人的な感触ですが、2009年頃は渋滞のピークが予報より1~2時間前にずれるケースが多く、2011年頃からは逆に後ろにずれることが多くなったように感じますが。
加藤「その頃私はまだ渋滞予測にかかわっていませんでしたが、いまはそういった傾向は見られないと思います」
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