幻の首都高「内環状線」その遺構を愛でよう 1960年代に計画も公害で頓挫

3月の品川線開通で全通した首都高中央環状線。実は1960年代、この中央環状線と都心環状線の中間に「内環状線」を造る計画が持ち上がりました。現代の首都高に、その計画を見ることができます。

公害問題で頓挫した内環状線 いまも残るその痕跡

 内環状線のルートは、4号新宿線の迎賓館付近から分岐。外濠跡に沿って北上し、飯田橋付近で5号池袋線と接続しつつ、そのまま外濠(神田川)の上を高架で進み、隅田川に出て両国付近で7号小松川線に接続する、というものでした。かなりアクロバティックなルートですが、首都高はすべてがアクロバティックに造られていますから、技術的には問題ありません。

 問題は沿道環境でした。神田川や外濠といった水面上に高架で通すのは、都心環状線で多用された手法ですが、昭和40年代も半ばになると、高速道路そのものが公害の元凶とされ、川に高架でフタをすることへの拒絶反応も生まれており、地元との調整が非常に難しくなったのです。結局、内環状線の計画は頓挫し、そのまま現在に至っています。

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橋脚から突起が内外へ延びる5号池袋線の飯田橋付近。内側の突起には内環状線本線、外側の突起には5号線との接続路が載る予定だった(2015年7月、清水草一撮影)。

 しかし内環状線は、いったん首都高の整備計画に織り込まれたため、7号小松川線や1号上野線、5号池袋線にはその準備設計があり、現在でもいくつかの遺構を見ることができます。

 その最大のものは、5号池袋線の飯田橋から水道橋にかけてのジャンクション予定設計です。この約400メートルの区間、内環状線は5号池袋線の下の段を通る予定でした。そのため橋脚の途中に、もう1本高架を通して2階建てにするための突起が連続して認められます。

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