常磐線、2019年度に全線運転再開へ 帰還困難区域の復旧に目途
東日本大震災で甚大な被害を受けた常磐線。不通区間のうち、復旧の見通しが唯一はっきりしなかった区間でその目途が立ち、ついに全線での運転再開が見えてきました。
帰還困難区域を通過する常磐線
国土交通省とJR東日本は2016年3月10日(木)、これまで具体的な目途が立っていなかった常磐線全線の運転再開について、2019年度末までを目指すと発表しました。
東日本大震災により甚大な被害を受けた、福島県の太平洋側を通り、東京都の上野駅方面と宮城県の仙台駅方面を結ぶ常磐線。順次、復旧が進められてきましたが、原発事故による「帰還困難区域」を含む富岡駅(福島県富岡町)と浪江駅(同・浪江町)間の20.8kmのみ、具体的な運転再開の見通しが立っていない状況でした。
このたび、同区間について「2019年度末までに」という復旧目標が示されたことから、常磐線の全線で「2019年度末までに」という運転再開の見通しが立った形です。
最後まで“再開未定区間”だったこの富岡~浪江間について、JR東日本によると「除染・復旧工事実施にあたっての課題解決の見通しが立った」とのこと。まず大野~双葉間にある地震で崩壊した「第一前田川橋りょう」の復旧から始め、その後、バラスト(線路敷の石)交換、表土除去といった除染と、線路や橋、信号、駅など鉄道設備の復旧を一体的に進めていくといいます。
なお現在、常磐線ではその富岡~浪江間のほか、福島県と宮城県にまたがる竜田~富岡間、浪江~小高間、小高~原ノ町間、相馬~浜吉田間が不通になっていますが、それぞれ2017年度内、2017年春、2016年春、2016年12月末までに運転再開の予定です。
【了】
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