「次の停車駅は…」引退間近の阪神「青胴車」まさかの運転ルートに“軽いざわめき” 「行先不明列車」に乗ってきた

阪神電鉄が、「青胴車」5001形電車の引退イベント第1弾として、「HANSHIN ミステリー・エクスプレス 行先不明列車」を開催。大阪梅田駅を出発したミステリー列車は、どこを通って尼崎車庫へ向かったのでしょうか。

1974年当時の車内アナウンスを再現

 列車は「ジェット・カー」の愛称にふさわしい本気の加速で阪神なんば線へと入り、西九条駅で停車。それから折り返し、大物駅から直接、終着地である尼崎車庫へ入りました。

Large 20241225 01

拡大画像

車内から見た尼崎車庫(鶴原早恵子撮影)。

 車庫に入ったのは11時27分。その後は正午過ぎまで、参加者は列車を撮影したり5001形関連の鉄道部品やグッズなどを見たりして、思い思いに青胴車を楽しみました。

 5001形は2025年2月に引退が決まっていて、このツアーは引退イベントの第1弾です。利用者や鉄道ファンに愛された列車の引退イベントということで、ツアー中は特別なおもてなしが満載でした。

 特にこだわりを感じたのは、車内アナウンスです。1974(昭和49)年2月版の「駅名告知用語集」を基に作った特別なもので、「~です」ではなく「~でございます」という語尾を多用したアナウンスはレトロ感たっぷり。

 車内禁煙の呼びかけ、1975(昭和50)年に廃止された国道線、北大阪線、甲子園線の乗り換え案内などの時代を感じさせる内容に、5001形が活躍していた時代の雰囲気を感じることもできました。

 ところで、青胴車の加速度は4.5km/h/s(キロメートル毎時毎秒)。つまり1秒ごとに時速4.5キロメートルずつ加速するという性能を誇っています。

 この加速性能が生まれた理由は、阪神電鉄の駅間距離です。

 1km以下という駅間平均距離に加え、ラッシュ時は運行本数が密になるため、普通列車は特急の運行を妨げないよう急加速・急減速を行って速やかに駅間を移動しなければいけません。そこで1958(昭和33)年に誕生したのが初代5001形です。

 1977(昭和52)年には現在の5001形が冷房装置付きの2代目として誕生しましたが、2021年以降順次新型の5700系「ジェット・シルバー5700」に置き換えられ、現在は今回のツアーで使用された1編成4両が残るのみです。

【見納め?】これが車庫で披露された「青胴車」の幕と限定ヘッドマークです(写真)

Writer:

大人になってから急に鉄道が好きになったフリーライター。地元・京都中心に、時間ができればあちこち乗り&撮りに行きます。駅で行き交う列車や人を眺めているだけで元気が出てくる。ローカル路線、海が見える路線・駅、駅カフェが好き。

最新記事

コメント