トヨタ車はなぜこんなにタフなのか? 好きすぎて“ミリタリーハイラックス”再現した人も

世界の紛争地で活躍するのがピックアップトラックに武装を施した「テクニカル」と呼ばれる即席の軍用車です。このテクニカルを日本国内で作った人を見つけました。

日本国内で機関銃付き「テクニカル」発見!

 とはいえ、このような武装車両を「テクニカル」と呼ぶようになったのは、1988年のソマリア内戦以降です。とあるNGO(非政府組織)が同地にボランティアスタッフを送る際、政府から民間の警備要員を連れて行くことを禁じられたことから、要員保護のため政府支給の「技術支援助成金(technical assistance grants)」を利用して、現地で民兵をガードマンとして雇用したことが由来とされています。

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2024年3月10日(日)に千葉県千葉市で開催された「SPRING Party!2024」にエントリーしていた現行型トヨタ「ハイラックス 」のテクニカル仕様。一緒にいたプライベート・オペレーター(民間軍事会社の警備員)姿の人はこのクルマのオーナー(山崎 龍撮影)。

 その際、雇った民兵(ガードマン)が武装した民生用ピックアップトラックを用いたことで、この種の車両を「テクニカル」と呼ぶようになったとか。

 そのようなテクニカルは市販車に武装を施しただけなので、製作に特別な技術などいらず、誰でも低コストで簡単に仕立てることが可能です。そのことを筆者(山崎 龍:乗り物系ライター)が改めて認識したのは、2024年春に千葉県千葉市で開催された、アメ車を対象にしたイベント「SPRING Party!」でのことでした。

 新旧の様々なアメ車が並ぶ会場のなかで、一際異彩を放っていたのがテクニカル仕様のトヨタ「ハイラックス」です。後付けされた銃架には軽機関銃「ミニミ」の遊戯銃が搭載され、荷台には星条旗を掲げていました。

 アメリカ軍と雇用関係にあるPMCは、フォード「F-150」やシボレー「シルバラード」などのアメリカ製フルサイズ・ピックアップトラックを用いるのが一般的で、比較的小ぶりなトラックを使用する場合でも、フォード「レンジャー」やダッジ「タコマ」などのミッドサイズ・ピックアップトラックを使うのが一般的でしょう。

 ただ、そうはいってもテクニカルのベース車にルールなどなく、戦場では入手し易いクルマが選ばれるため、トヨタ製「ハイラックス」が戦場で使用されていないとは断言できません。

【エンブレムも変えたの!?】日本国内に存在する「テクニカル」をグルリと見る(写真)

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