高速料金「13車種区分」まで細分化!? バイク悲願「軽自動車等からの分離」へ やっぱヘンだよ今の料金!
国土交通省が新たな「高速道路の車種区分」について素案を示しました。今後、新たな方法で車種ごとの通行料金を算出することと並行して、関係団体からのヒアリングを実施します。車種区分が劇的に増える可能性があります。
「バイク」の専用区分ができるとどうなる?
通行料金の車種区分を割り出すためのデータは「占有者」「原因者」「受益者」の負担3要素で構成されます。1988年の5車種区分の議論当時と、この考え方は変わりません。ただ、個々の負担となるデータを、時代に合わせた最新のものにに更新します。
最もわかりやすい例が「占有者負担」の中にあるバイクの通行料金負担についてだけ採用されていた「車間距離」という名前の“余計な”車長の取りやめです。
占有者負担とは、走行中の車両1台が“占有”する空間のことです。道路の占有という視点では、同一車線内に走行できる1台だけなので、バイクも四輪車も占有する全幅は変わりません。ただ、トランクなどがない分だけバイクの全長は四輪車より短いです。
しかし、全長に「車間距離」として前後50cm、つまり1mを加えることで、バイクと四輪車の専有面積は同じ、とされました。当時、バイクの平均車長は2.10mとされていたので、車間距離を加えると全長は3.10m、軽自動車と同じになります。
この算出方法は四輪車には存在せず、これを新たな13車種の算出では統一します。この部分だけを考えると、バイクの車種区分が創設されれば、通行料金は安くなることが期待できます。
しかし、同じ占有者負担でも、車両の変化を踏まえた新たな算出で、バイクの重量は平均200kgから320kgに引き上げて計算されます。すると、現行の通行料金より安くなるか否かは、現時点ではわかりません。
「原因者負担」でも考え方が変わります。原因者負担とは建設費や維持管理費の負担のことです。バッテリーを大量に積載するEVは車重が重くなりました。通行する車両の平均車重は30年前と現在では違います。最新のデータに更新するわかりやすい例ですが、一方で車種区分間の負担の考え方を変えることも試みます。
例えば、大型トラックなどの大きな車両と、バイクのような小さな車両が通行するための構造物では、建設にかかるコストが違います。現実の建設では、すべての車両が通行できる構造物を作るのですが、これまでは車種別に、負担の平均値から料金が設定されていました。
イメージでいうと、1つのトンネルを作った場合、バイクが通過できるだけのトンネルと、トラックも通過できるトンネルを想定し、その負担に応じて車種区分に振り分ける算出方法を取りました。新たな13車種区分では、2025年以降に発生する建設費、管理費、交通量を、車種別の車重などの平均諸元を要素に傾斜配分します。
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