「自衛隊さん無人機の契約どうなったんですか?」 艦載型“無人ヘリ”で暗礁に乗り上げた海自 欧州の機体が「救世主」になるかも
イギリスのレオナルドUKは、イギリス海軍向けの艦載型無人機「プロメテウス」の設計を開始すると発表しました。現在、フランス海軍でも艦載型無人機の導入計画が進められていますが、どうやらこれらは自衛隊とも関連してくるかもしれません。
暗礁に乗り上げた海自の無人機導入計画 今後の方向性は?
防衛省も、海上自衛隊の艦艇で回転翼機型UASを運用する方針を固めています。
2018(平成30)年12月に発表された「防衛計画の大綱」では、護衛艦に搭載するSH-60K/L哨戒ヘリコプターを補完するため、回転翼機型UASを20機導入することが決定。防衛計画の大綱と同時に発表された中期防衛力整備計画には、2019年度から2023年度までの5カ年度で3機を導入すると明記されていました。
2024年11月6日付の読売新聞によれば、海上自衛隊は防衛大綱の策定前に行った市場調査の結果、海上自衛隊の要求を充たせる回転翼機型UASはノースロップ・グラマンのMQ-8C「ファイアスカウト」だけと把握し、導入に向けた準備を進めていたとのことです。
しかし同紙は、会計検査院がMQ-8Cの契約状況を調査したところ1機も契約が締結されていないことが判明したうえ、MQ-8Cの生産ラインは2022年に閉鎖されてしまったため入手が不可能になってしまったと報じています。海上自衛隊の護衛艦に搭載する回転翼機型UASの導入計画は、宙に浮いた状態になっています。
読売新聞は、海上自衛隊が他の企業に艦載回転翼機型UASを発注できないかなどの対策を検討しているとも報じています。プロテウスもVSR700も、海上自衛隊が回転翼機型UASの役割と位置づけていた貨物の輸送や洋上哨戒はもちろん、海上自衛隊が重視している対潜水艦戦能力の獲得も視野に入れています。
海上自衛隊がノースロップ・グラマン以外から艦載回転翼機型UASを入手するのであれば、プロテウスの実用機型かVSR700を軸に検討されることになると筆者(竹内修:軍事ジャーナリスト)は思います。
Writer: 竹内 修(軍事ジャーナリスト)
軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。
英伊とは戦闘機も共同再発しているし、プロメテウスがちょうど良いと思う
英伊とは戦闘機も共同再発しているし、プロメテウスを導入するのはちょうど良いと思います。