ついに“完全個室化”実現! 新造フェリー「さんふらわあ かむい」 まさに海の上のホテル、というか“ビジホ!?”

まもなく大洗-苫小牧航路に就航する新造フェリー「さんふらわあ かむい」。客室は全て個室化され、従来船から見違える変化を遂げました。ただし“豪華指向”かといえば、そうでもありません。

一般客は「上下移動ゼロ」実現

 これまで2つのフロアに分かれていた客室とパブリックスペースが、「さんふらわあ かむい」では1フロアにまとまったことから、船内がバリアフリー対応の空間となり、子供からお年寄りまで、さまざまな年代の人が利用しやすくなりました。乗用車甲板も一般旅客の区画と同じフロアに置かれているため、歩いての上下移動が少ないというのがこの船の大きな特長といえるでしょう。

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船内見学会の様子(乗りものニュース編集部撮影)。

 パブリックスペースとしては、「だいせつ/しれとこ」で船首側に置かれていた展望デッキに代わり、「さんふらわあ かむい」では横を流れていく雄大な太平洋と東北の景色を眺められるプロムナードが設置されています。

 また、冷凍食品を販売する自動販売機も置かれており、オーシャンビューの食事を楽しむことができます。ここにはホーサー(船を繋留するロープ)を模したしきりや、船外灯のような間接照明が設置されており、船旅の雰囲気を盛り上げるような工夫をこらした内装となっています。

 さらに、約18時間の運航で日中を過ごす時間が長いため、フィットネスマシンを利用して運動できるフィットネスルーム、小さな子ども向けのおもちゃが用意されたキッズスペース、足を伸ばしてくつろぐことができるリラックススペースが設けられました。もちろん大海原を眺めながら疲れを癒すことができる大浴場やサウナもあります。

 一方で、深夜便はもともとトラックのニーズが中心のため、夕方便の船にあるようなレストランなどは設けられていません。そのぶん、機能的かつシンプルに利便性を高めた船といえるでしょう。

「商船三井さんふらわあ」の牛奥博俊社長は「新造船なので1月21日の営業航海はあっという間に売り切れたが、やはり季節的な問題があり、そこから先はまだ十分に利用が可能なので、ぜひ利用してほしい」と明かします。「どんな風に感じられたか、お客様からの声をフィードバックいただけると、さらに我々もこれに留まらずサービスの改善に役立てることができる」と話していました。

【マジでホテル!】これが「さんふらわあ かむい」の客室です!(写真)

Writer:

1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。

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