「青い“さんふらわあ”」ついに姿を現す! LNGの新造船「さんふらわあ かむい」お披露目 大洗-苫小牧750kmを結ぶ
商船三井さんふらわあが運航を担う新造LNG(液化天然ガス)燃料フェリー「さんふらわあ かむい」が、まもなく大洗-苫小牧航路にデビュー。大洗港にてお披露目されました。
「青いさんふらわあ」ついに大洗に姿を現す!
商船三井グループの「商船三井さんふらわあ」が運航を担う新造LNG(液化天然ガス)燃料フェリー「さんふらわあ かむい」(1万5600総トン)が2025年1月21日、いよいよ大洗(茨城県)―苫小牧(北海道)航路にデビューします。それに先立つ17日、大洗港にてお披露目されました。
年内には2番船の「さんふらわあ ぴりか」も投入され、すでにLNG燃料フェリーが就航している大阪―別府(大分県)航路に続き、東日本でも環境に優しい次世代燃料を使用するフェリーの運航が本格化します。
同社の牛奥博俊社長は「環境負荷軽減への対応を進めていくというのが商船三井グループの環境戦略の一環としてある。LNGに限らず、これから就航する船は、必ず『さんふらわあ かむい』のような環境対応型の船を検討していきたい」と話していました。
「さんふらわあ かむい」は、商船三井グループで3隻目のLNG燃料フェリーとして内海造船因島工場で建造が行われ、2024年12月に引き渡された新鋭船。投入されるのは大洗―苫小牧航路のうち両港を午前1時台に出港し、同日夜に到着する“深夜便”です。同船の就航に伴い、長きにわたって活躍した「さんふらわあ だいせつ」(1万1401総トン)が引退します。
一番目を引くのは、これまでの白を基調とした塗装から大きく変わったカラーデザインと、斜め向かい風を推進力に利用する丸い船首形状「ISHIN船型」でしょう。“さんふらわあ”の象徴である大きな太陽のマークは残しつつ、海と空を表す「青」が船体の半分以上に塗られており、「夜明けの海」と「新しい時代を照らす光」をイメージしています。
船の全長は199.4m、幅は28.6m。乗用車の積載台数は50台で、トラックの積載能力は大型トラック(13m)換算で155台です。既存船に比べて大型化が図られており、積載能力が向上しました。野菜や牛乳など生鮮食品をはじめとした冷蔵・冷凍貨物の輸送に対応するため、車両甲板には120口の電源が用意されています。
旅客定員は157人で、客室は従来の大部屋を廃止し、ドライバーズルームも含め全室が個室となっています。
牛奥社長は物流の停滞が懸念される「2024年問題」に言及し、「トラックドライバーが船に乗っている間はゆっくり休息がとれるように個室化した。海上へのモーダルシフトを推し進めていくためには、フェリーの利用が快適で効率的であることをしっかりアピールしていくことが狙いだ」と話していました。
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