大変貌!“青いさんふらわあ”2番船ついに進水 「さんふらわあ ぴりか」 LNG燃料船「かむい」と2隻体制そろう
本州と北海道を結ぶ大型フェリーの新造船「さんふらわあ ぴりか」が進水しました。これで大洗-苫小牧航路は、LNG燃料船2隻体制となります。
「さんふらわあ ぴりか」ついに海へ
商船三井が発注したLNG(液化天然ガス)燃料フェリー「さんふらわあ ぴりか」の命名・進水式が2024年9月4日、内海造船因島工場で行われました。同船は2025年4月中旬に内海造船から引き渡しを受けた後、商船三井グループの「商船三井さんふらわあ」が用船し、1番船の「さんふらわあ かむい」に続いて大洗(茨城県)―苫小牧(北海道)航路の深夜便に投入される予定です。
新造船「さんふらわあ ぴりか」は、商船三井グループで4隻目のLNG燃料フェリーとして計画されました。進水式ではホクレン農業協同組合連合会の篠原末治代表理事会長が命名を行いました。
船体は1番船と同様、“さんふらわあ”の象徴である大きな太陽のマークは残しつつ、白を基調とした従来船からデザインを一新。海と空を表す「青」が船体の半分以上に塗られており、「夜明けの海」と「新しい時代を照らす光」をイメージしています。大洗―苫小牧航路への就航後は「さんふらわあ かむい」と共に、既存の「さんふらわあ だいせつ/しれとこ」を代替します。
船体の大きさは既存船の約1.4倍となる1万5600総トン。全長も190mから199.4mへと長くなりました。乗用車の積載台数は62台から50台に減っていますが、トラックの積載能力は「今後モーダルシフトの加速により有人トラックの乗船増が見込まれる」(商船三井広報)ことから、大型トラック(13m)換算で135台から155台へと拡大しています。
旅客定員は157人で、客室は従来の大部屋を廃止し全室を個室化。トラックドライバー向けに快適な空間を提供することで、モーダルシフトを促進し、「2024年問題」の解決を図っていくのが狙いです。一方、一般旅客向けには他船で好評となっているウィズペットルームも導入を予定しています。
主機関にはLNGと重油(適合油)を使用できる2元燃料低速エンジン1基を搭載。船首のバウスラスターや船尾のスターンスラスター、ポンプジェットなどを装備し、5翼可変ピッチプロペラを備えることで、操船性の向上を図っています。燃料として採用されるLNGは従来の燃料油に比べてCO2(二酸化炭素)を25%、SOx(硫黄酸化物)を100%削減できる効果が見込まれており、海事産業全体で課題となっている環境負荷を大幅に低減することができます。
これに加えて、斜め向かい風を推進力に利用する船首形状「ISHIN船型」をはじめ最新の環境技術を加えることで、従来船に比べCO2排出量を約35%削減することが可能になりました。また、内海造船が開発した省エネ装置などの新技術を取り入れており、さらなるCO2の削減を実現するといいます。
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