「神社仏閣」を参考に作られたバイクって!? “海外のマネじゃない”強すぎる思いが生んだ結果とは
かの本田宗一郎が、自ら神社仏閣を巡りヒントを得て打ち出したと言われるバイクが、ドリームC70です。その後のバイクに大きな影響を与えた神社仏閣バイクとは、いったいどのようなものなのでしょうか。
「日本独自のバイクを!」→奈良・京都の神社仏閣巡りに出た本田宗一郎
「国産バイクの父」とも言うべき、本田宗一郎さんの格言は「夢を力に」「夢=dream(ドリーム)」。この「ドリーム」の愛称は、特にホンダ創成期の上級モデルに多く採用されてきており、今日ではホンダの直営バイクショップに冠されるようにもなりました。

この「ドリーム」という名を持ち、特に本田宗一郎さんの強い思いが込められたバイクがありました。それが1957年に登場したドリームC70というモデルです。
もともとドリームを冠したモデルは、1949年のD型を皮切りに、E型→S型→M型へと発展していきましたが、M型の後継機となったのがC型で、その第一モデルとして登場したのがドリームC70でした。
それまでのドリーム(D、E、S、M)は欧米のバイクスタイルに強い影響を受けてきましたが、本田宗一郎さんは「誰の真似もしない日本独自のバイクを」という高い目標を掲げます。
そして、本田宗一郎さんが向かった先はなんと奈良や京都。10日間、神社仏閣を巡り、「日本独自のバイク」としてこのドリームC70の開発に至りました。
「バイクと神社仏閣」……一歩間違えると、とんでもない珍車が生まれそうにも思いますが、そこはやっぱりホンダです。欧米のバイクとは一線を画した「日本製バイク」を打ち出しながらも、重厚感と品格を持ち合わせた意匠を実現。
漆のような深いブラックに入る金のラインや、灯火類など各々のパーツ採用した角ばったデザインなどに“神社仏閣”の影響が指摘されます。当時としては斬新なものであり、結果的に、以降の日本製バイクのスタイルに大きな影響を与える結果になりました。
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