『ガンダム』世界の“空飛ぶゲタ”巨大兵器どうやって運んでいる? 真面目に考察してみた
『機動戦士ガンダム』シリーズでは定番となっている「サブフライトシステム」通称「ゲタ」はどのような理屈でMSを運ぶようになったのでしょうか。
人型兵器を上に乗せて飛ぶ不思議な軍用機
航空機「ド・ダイYS」(以下「ドダイ」)は、アニメ『機動戦士ガンダム』に登場する架空の軍用機です。最大の特徴は、平たい形状の上部に巨大人型兵器「モビルスーツ」(MS)を搭載し、かつそのまま飛行できる点です。
同様のデザインは後発作品でも多用されており「ゲタ」「ベースジャバー」などといった架空機が、やはりMSを搭載して飛行。これらは後に「サブフライトシステム」という総称で呼ばれるようになっています。
これら「サブフライトシステム」のように、機内に収納せず、別の機体を上載せする方法は実在の航空機にもあるのでしょうか。
結論から言うと存在します。例えば、NASA(アメリカ航空宇宙局)がスペースシャトル運搬用に使用していた、大型旅客機ボーイング747-100型を改造した「シャトル輸送機」などが代表的な機体になるでしょう。
ただ、空虚重量でも78tあるスペースシャトルを搭載したために、原型のボーイング747-100よりも大幅に飛行性能が低下し、航続距離など原型では約1万kmもあったのに対し、約1900kmにまで減少しています。
『ガンダム』の話に戻りましょう。いわゆるファーストガンダム時点でのジオン軍主力兵器であるMSは飛行できないため、遠方での作戦行動は航空機による輸送が必須です。MS輸送能力のある大型爆撃機「ガウ攻撃空母」は3~4機、地球上、すなわち大気圏内でも運用可能な「ザンジバル級機動巡洋艦」には、6~12機のMSを搭載可能です。このふたつは「超大型飛行物体の格納庫にMSを収納する」という常識的な存在(大きさを除いては)と言えます。
ただ、ジオン軍はこれでは飽き足らず、MSを飛行させるために、偵察機「ルッグン」や、要撃爆撃機「ドダイ」にもMSを搭載できるようにしました。どちらも「搭載状態でもMSが戦闘できる」という破天荒な兵器で、「ルッグン」の場合はMSが「ぶら下がって」飛行し、「ドダイ」は機体上にMSが直立したままで運ばれます。
なお、主人公サイドの地球連邦軍も、サブフライトシステムとして使用可能な重戦闘機「Gファイター」の機体上面にMS「ガンダム」が直立して乗っかり、空中戦闘を行っていました。
いかに科学が進んだ宇宙世紀とは言え、ジオン軍のグフは全備重量80t、ガンダムは60tもあるため、ぶら下がるにせよ、直立するにせよ、猛烈な空気抵抗を受けると考えられますが、特にトラブルのある描写がありません。恐らく、何らかの方法で諸々の問題をクリアしていたのでしょう。
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