今や伝説「東武の路面電車」そのまんま!? 今も現役で走ってます! でも1両は「化けてます」

半世紀余り前に廃止された東武鉄道の路面電車の車両が、今も岡山市の岡山電気軌道で走っています。ほぼ姿を消した大手私鉄の路面電車を気軽に追体験できる全国でも珍しい路線ですが、ワケあって「期間限定」の運行です。

半世紀前に消えた「東武の路面電車」今も!

 栃木県の観光名所・日光の日光東照宮などを巡る観光客の足だった東武鉄道の旧「日光軌道線」の車両が、登場から「古希」を過ぎた今も現役で活躍しています。乗り込めば過去にタイムスリップしたような気分を満喫できますが、ワケあって「期間限定運行」となっています。

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岡山電気軌道を走る旧東武日光軌道線塗装の3005号(大塚圭一郎撮影)

 1910年に開業し、その後延伸した旧東武日光軌道線は、現在のJR日光駅~東武日光駅~馬返間を結びました。馬返では明智平とつなぐケーブルカーの日光鋼索軌道線(1970年廃止)と接続し、明智平では現存する東武グループの日光交通明智平ロープウエイと乗り換えることができました。

 戦後の旧日光軌道線では、観光客輸送を強化するために宇都宮車両(現・スバル)が製造した100形が1953年に、宇都宮車両製などの連接車200形が翌54年に導入されました。路線は1968年に廃止されましたが、100形は抱えていた10両全てが岡山市の路面電車、岡山電気軌道へ移籍しました。その一部が、いまも現役で岡山の街を走っているのです。

移籍時にユニークな改造

 当時、車両が老朽化していた岡電にとって車齢が15年程度と比較的新しい100形を入手できたのは渡りに船で、型式を「3000形」に変えて運用を始めました。移籍時にワンマン運転ができるよう車内に運賃箱を設け、行き先表示の位置も変えました。

 中でもユニークな改造だったのが、屋根に取り付けられていた集電装置のビューゲルを、かつて岡電が標準としていた「石津式パンタグラフ」に交換したことです。

 通常のパンタグラフは、電気を取り込む「すり板」を架線に密着させるためにバネや空気の力を利用しています。これに対し、元岡電社長の石津龍輔氏が考案した石津式パンタグラフは重りの重力を活用しており、岡電は「構造が単純なため保守しやすいのが特徴です」と説明しています。

【マジで当時「そのまんま」】岡山を走る「東武の路面電車」車内もスゴイ!(写真)

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