アジアのフランカー「全部同じじゃないですか!!」「よく見ろ全然違う」塗装だけじゃなかった その見分け方は?

ロシアの「フランカー」シリーズは世界的な傑作機として各国で導入されています。そのうちのひとつがベトナム。ただ、同国の「フランカー」はインドやマレーシアのモデルとは違うようです。

よく見ると外観で見分けることも可能

 一方、ベトナム空軍が採用しているSu-30MK2は、最初は中国向けの輸出モデルであるSu-30MKKとして開発されました。この機体は、1996年にロシアと中国のあいだで購入契約が結ばれ、2000年頃から中国空軍(正式名称、中国人民解放軍空軍)向けに納入が始まっています。

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「ベトナム・インターナショナル・ディフェンス・エキスポ2024」に展示されたインドのSu-30MKI(布留川 司撮影)。

 後に電子機器等を改良したアップグレードモデルのSu-30MK2が開発され、これがベトナムを含めた他国向けに輸出されています。なお、ベトナム以外の導入国としてはインドネシア、ウガンダ、ベネズエラなどが名を連ねます。

 Su-30MK2は、複座型の多用途戦闘機という点では「フランカーH」シリーズと似ていますが、こちらはカナード翼と推力偏向装置が装備されていません。逆に「フランカーH」にない特徴として、垂直尾翼内部には燃料タンクが追加されており、上部の形状も「フランカーH」と異なり、フラットな直線形になっています。愛称についても「フランカーG」という別名が用意されています。

 2025年1月現在、「フランカー」系列の機体を運用する国は、開発元のロシアを含めて18か国にもなり、同機は輸出戦闘機として一定の成功を収めています。その一番の理由は戦闘機としての性能の高さですが、同時にロシアが輸出国に合わせて派生モデルを開発したことの影響も大きいといえるでしょう。

【画像】よく見ると違う! いろんな「フランカー」を見比べ

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雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info

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