「車内でキャンプができるコンパクトカー」46年経っても大人気!? 四角いほうの「フィアット・パンダ」のスゴさとは デザイナー「私の最高傑作」
「ヨーロッパのゲタ車」として、いまだ根強い人気を誇るフィアット・パンダ。なかでも、2003年のモデルチェンジ以前に生産されていたモデルは、現在でも中古車市場で大きな人気を誇ります。
いろいろ難点もあるけれど…それでも最高なワケ
また、オプションにダブルサンルーフもあり、フロント・リア双方の車列上を開放させることもできました。この、ダブルサンルーフ双方を開放すればさながらオープンカーにも変身するというスタイルにより、「単に安価なクルマ」としてではなく、「パンダに乗る際のライフスタイル」の提案をも投入した1台でした。
![Large 20250211 01](https://trafficnews.jp/wp-content/uploads/2025/01/250125_panda_04-600x435.jpg)
結果的に、世界中の人たちに愛され、2003(平成15)年までは、フィアット・パンダ45/30をコンセプトやデザインが踏襲され続けた一方、それ以降は全く新しい丸っこくかわいらしい意匠となり、2023年まで生産されました。その生産期間はなんと44年間。フィアットのモデルの中ではフィアット500に並ぶロングセラーモデルになりました。
実は筆者、この「角ばったパンダ」を2台乗り継ぎ、さらにボロボロの1台を部品取りとして所有した時期がありました。「自分のクルマ」として初めて乗ったのがフィアット・パンダだった、という思い出補正を除いても小回りの良さ、燃費の良さ、ラフに乗っても格好になる自由さで、最高としか言いようのない1台でした。
その一方、筆者が乗ったのはいずれもマニュアル車で、クラッチが脆弱だったほか、部品劣化が激しい印象は否めませんでした。また、オートマ車もまたCVTが壊れやすく、一度壊れればエンジン丸ごと交換で、軽の新車1台分くらいの修理費がかかる……なんていう話がショップやユーザーの間でよく語られていました。
ただし、これらの難点を持ってしても今日に至るまで中古車市場で高値傾向が続くのもまた事実。これを見れば、やはりフィアット・パンダが極めて特別なクルマであり、この独創性と楽しさを超えるコンパクトカーは以降にないことを示すようにも感じます。
Writer: 松田義人(ライター・編集者)
1971年、東京都生まれ。編集プロダクション・deco代表。バイク、クルマ、ガジェット、保護犬猫、グルメなど幅広いジャンルで複数のWEBメディアに寄稿中。また、台湾に関する著書、連載複数あり。好きな乗りものはスタイリッシュ系よりも、どこかちょっと足りないような、おもちゃのようなチープ感のあるもの。
コメント