「“岡山”といえばこの特急」だったのに 瀬戸大橋を渡らなくなる「うずしお」にオールドファン衝撃のワケ
2025年3月15日に行われるダイヤ改正で、JR四国の特急「うずしお」の岡山発着が廃止されます。これは歴史的に大きな転換点かもしれません。そこで「うずしお」の変遷とともに、今回の改正を紐解きます。
瀬戸大橋開通とともに登場した「現・うずしお」
JR四国が2025年3月15日に実施するダイヤ改正で、徳島発着の特急「うずしお」の岡山乗り入れが廃止となることが発表になりました。現在は16往復半が運行しており、そのうち岡山へと乗り入れるのは2往復のみでしたが、いずれも高松発着に変更になります。
現在の特急「うずしお」は1988(昭和63)年4月、瀬戸大橋開通に合わせて、頻発運行される“エル特急”として誕生したものです。それまで優等列車は急行しか走っていなかった高徳線において、初の特急列車でした。
当時の車両はキハ185系の2両編成で全席自由席、11往復のうち10往復は高松~徳島間の運行で、1往復のみ岡山~徳島間というデビューでした。その後、瀬戸大橋線開業による四国人気もあり、同年9月には岡山乗り入れ列車が2往復に増便されました。
以来37年間にわたって岡山~高松~徳島間の特急として活躍。徳島からさらに牟岐線の海部や、安佐海岸鉄道の甲浦へ乗り入れたり、予讃線 伊予西条発の列車が運行されたりと、徳島へのアクセスを支え続けてきたのが「うずしお」です。
オールドファンならわかる、「うずしお」といえば岡山の理由
今回の改正は、2往復のみの岡山発着列車が瀬戸大橋を渡らなくなり岡山~高松間が短縮されるだけ――といえばそれまでですが、鉄道のオールドファンにとっては、岡山駅から「うずしお」の文字が再び消えてしまうことに寂しさを感じる人も多いのではないでしょうか。
“再び消える”というのも、鳴門の渦潮を由来とした四国らしい名を掲げた特急「うずしお」という列車愛称が誕生したのは、全国的に特急列車網が整備された1961(昭和36)年10月の通称“サンロクトオ”の白紙ダイヤ改正においてです。誕生時の運行区間は大阪~宇野間で、関西からの宇高連絡船への接続特急でした。
つまり昭和において「うずしお」といえば、本州で岡山県を目指すという印象の強い列車でした。
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